産業保健が生み出す、真の企業利益

「産業医の導入が法律で義務となっていることは分かっているけど、実際に利益になるわけではないし、導入に後ろ向きだ」

こういったお話は産業保健の営業をしていると往々にして伺う話です。
では、なぜこういった意見が出てくるのか? 答えは、数値として結果が現れないからです。

しかし、一般的に認知度が低いだけで、その研究や取り組みはこれまでも行われてきました。

経産省も認める「健康経営」という考え方

健康経営という言葉はご存知でしょうか?
企業が従業員の健康に配慮することで業績に大きな影響を与えることが期待できるという考えに基づき、経営的視点から健康を捉えることを意味します。

当サイトでも度々取り上げてきたテーマですが、近年大きな注目をされていて、経済産業省による「健康経営銘柄」という認定制度も発足しています。

健康経営の指標:健康企業度

また、健康経営に関連しては、経済産業省にてその実施や健康増進の施策に関する実態調査である「健康企業度調査」を行っています。
この調査では上場企業3,561社を対象に調査を行い、回答があった492社の事例を基に、健康が経営や業績に与える影響を具体的に数字でも示しており、非常に興味深いものとなっています。

そして、その調査の中に次のような分析結果が示されています。

“「健康経営度」が高いほど、従業員の取り組みに対する認知や評価が高く、従業員の取り組みに対する認知や評価が高いほど、従業員の健康度や仕事のパフォーマンス度が高い傾向にあり、「健康経営度」が高いほど従業員の生産性が向上している事が分かる。”
“単に取り組みを実施していくのではなく、従業員に対して取り組みの認知向上を行う事が重要であることがわかる。”

“検証結果から、企業が従業員の健康の保持・増進について取り組む事が企業にとって単に コストとなるのではなく、経営的な投資として、従業員の生産性の向上、ひいては企業業績 の向上に繋がるであろうという事が分かった。”
(平成26年度健康寿命延伸産業創出推進事業(委託事業)

つまり、健康経営を行い、その取り組みを従業員にアピールすることで、従業員が企業に大事にされていると感じ、その結果仕事のパフォーマンスが向上して生産性が上がる、というサイクルが生み出されていることが検証できているわけです。

これまで、“利益を生まない”“無駄なお金”と捉えられがちであった産業保健ですが、具体的な数値や検証結果をもってすれば、如何に取り組む必要性があるか感じていただけるのではないでしょうか。

産業保健と企業の利益

「うちの会社はメンタル不調なんかいないし、健康で元気な優良企業だ!」
「ベンチャーなのだから、今頑張らないといけない。甘えたことを言っている暇はない」
このような考え方をして、コストが掛かるから、うちの社員は大丈夫だからと短期的な思考で健康管理をおろそかにしていると、大事な人材の流出や、生産性があがらない事態を招き、企業としての発展や将来性は潰えてしまうこととなるでしょう。

WHO憲章では、健康とは身体的、精神的、社会的福祉の状態であり、単に病気や病気がない状態ではないと謳っています。

従業員が持つ本来のパフォーマンスが出せて、真に健康であるといえる企業となるためには、産業保健スタッフの重要性を改めて捉え、事業者主体で健康経営を目指すことが必要な取り組みとなるでしょう。

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