ストレスは「潜在意識」を使って乗り越える!

新年度に入り、早いもので3か月が経とうとしています。
就職や転居、就学など生活環境がガラッと変化した方も多いのではないでしょうか?

変化自体は喜ばしいものであっても、変化に適応しようとすること自体は、誰にとっても多少の労力がかかるものです。

◆社会再適応評価尺度(social readjustment rating score:SRRS)とは

数々のライフイベントが人に与えるストレスの度合いを数値化した研究があります。
T・H・ホームズとT・H・レイによるもので、変化に適応できるまでの時間を基準に、結婚を50、配偶者の死を100として以下のようになっています。

【順位】 ライフイベント・・・・・ 生活変化単位値(life change unit:LCU)

【1】 配偶者の死……100
【2】 離婚……73
【3】 夫婦別居生活……65
【4】 拘留、または刑務所入り……63
【5】 肉親の死……63
【6】 自分の病気や傷害……53
【7】 結婚……50
【8】 解雇……47
【9】 夫婦の和解調停……45
【10】 退職……45

【11】 家族の病気……44
【12】 妊娠……40
【13】 性的障害……39
【14】 新たな家族成員の増加……39
【15】 職業上の再適応……39
【16】 経済状態の変化……38
【17】 親友の死……37
【18】 転職……36
【19】 配偶者との口論の回数の変化……35
【20】 約1万ドル以上の借金……31

【21】 担保、貸付金の損失……30
【22】 仕事上の責任の変化……29
【23】 息子や娘が家を離れる……29
【24】 姻戚とのトラブル……29
【25】 個人的な輝かしい成功……28
【26】 妻の就職や離職……26
【27】 就学・卒業・退学……26
【28】 生活条件の変化……25
【29】 個人的な習慣の変更……24
【30】 上司とのトラブル……23

【31】 仕事時間や仕事条件の変化……20
【32】 住居の変更……20
【33】 学校をかわる……20
【34】 レクリェーションの変化……19
【35】 教会活動の変化……19
【36】 社会活動の変化……18
【37】 約1万ドル以下の借金……17
【38】 睡眠習慣の変化……16
【39】 親戚づき合いの回数の変化……15
【40】 食習慣の変化……15

【41】 休暇……13
【42】 クリスマス……12
【43】 ささいな違法行為……11
*(精神科医 Thomas Holmes and Richard Rahe by「Holmes and Rahe stress scale」)

過去1年間で体験した出来事のLCU合計点が 200~299の場合、約50%の割合で翌年身体疾患が発症し、300以上では約8割が発症するという予想がされています。

日本とアメリカの文化、社会的慣習の違いなどを差し引いても、各ストレス状況の内容そのものは誰にとってもストレスを与えるものと考えることができるでしょう。
試しに自分の環境を振り返り、数値が高い場合は心身のコンディションを整えるため、何らかの対策を取ってみてはいかがでしょうか?

◆潜在意識をストレス対策に活かす、3つの方法

普段意識することは少ないですが、私たちは顕在意識と潜在意識の両方を持っています。
よく海に浮かんだ氷山に例えられるのをご存じの方も多いでしょう。

大まかにいえば水面から露呈している部分が顕在意識、自覚できる普段の意識を指します。
水面下の部分が潜在意識、自覚できない無意識の事です。
潜在意識の占める割合は大きく、全体の約9割を占めるとされています。潜在意識への理解を通して、ストレス対策への活かし方を考えてみましょう。

質問の仕方を変える

潜在意識は24時間休むことなく働き続けています。
ほかのことに顕在意識が移った後でも潜在意識はずっとそれを考え続け、答えがみつかるまでストップしないという驚くべき特性があります。
人は1日に5万もの考えが浮かぶといわれていますが、考えても答えが出ない類の質問を考え始めてしまったらどうなるでしょうか? 脳が疲れてしまうのは明らかです。

例えば「なぜ自分は何をしてもダメなんだろう?」と思ってしまったら、「何なら、自分にもできるだろう?」と、答えを導き出せる質問に変えましょう。

自分の全体に目を向ける

潜在意識の世界に、仮に「働く」自分、「遊ぶ」自分、「友人を大切にする自分」など色々な自分が、手をつないで存在しているとします。
潜在意識には「全体が一緒に成長する」という特性があるので、例えば「働く」自分だけを突出して成功させようとしても難しいのです。
その特性を踏まえれば、例えば趣味に打ち込む、家族を大切にするなど、自分の中の他の分野にも真剣に心を向けることで、潜在意識が変化しやすいとされています。

最初はゆっくり、時間をかけて繰り返す

潜在意識の特徴として、「現状を維持しようとする」特徴があります。新しい習慣を取り入れたり、成長したいなどと思った場合、初めこそ1番大きなエネルギーが必要ということです。
潜在意識が新しい自分に慣れるまで、繰り返し行うようにしましょう。

新年度に就職や転職等で、転居、生活習慣の変化、職業上の再適応、仕事上の責任の変化、生活条件の変化等が重なった場合、LCUの数値上では簡単に200点を超えてしまいます。
変化に適応しようと努力している自分を認めて、潜在意識が変化すればあとは維持するほうが楽なのだと、おおらかに構えてみてはいかがでしょうか。

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白石 早希株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

新卒で航空会社地上職員として勤務。同僚の休職や配置転換などを目にする中で、心身のケアの必要性を実感。結婚後、家族がうつ病を発症したこともあり、「健康に働く人を増やす」というドクタートラストの理念に心から共感。また、1児の子育て中のため、時短勤務が可能なことが決め手となり入社。ワークライフバランスや持続可能性への関心が高い。
働く皆様のお役に立てるような記事作成に努めてまいります。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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