6か月以上の期間で、海外出張に行ってきます。

海外出張の際の健康診断

4月になって部署移動等の人事発令にともない、海外出張の予定が入った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
就業時や年1回の定期健康診断のほかに、6か月以上の海外派遣、海外出張の場合、その前後で、健康診断の実施が定められていることをご存知でしょうか?

労働安全衛生法の定め

労働安全衛生法には、以下のような定めが置かれています。

第45条の2
事業者は、労働者を本邦外の地域に六月以上派遣をしようとするときは、あらかじめ、当該労働者に対し、第四十四条第一項各号に掲げる項目及び厚生労働大臣が定める項目のうち医師が必要であると認める項目について、医師による健康診断を行わなければならない。
2 事業者は、本邦外の地域に六月以上派遣した労働者を本邦の地域内における業務に就かせるとき(一時的に就かせるときを除く。)は、当該労働者に対し、第四十四条第一項各号に掲げる項目及び厚生労働大臣が定める項目のうち医師が必要であると認める項目について、医師による健康診断を行わなければならない。

実施項目は?

前述のとおり、長期の海外派遣、海外出張に際しては健康診断が必要ですが、具体的な項目は以下のとおりです。

■必ず実施すべき項目■

既往歴および業務歴の調査
自覚症状および他覚症状の有無の検査
身長、体重、視力および聴力の検査、腹囲の測定
胸部エックス線検査およびかくたん検査
血圧の測定
尿検査(尿中の糖および蛋白の有無の検査)
貧血検査(赤血球数、血色素量)
肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)
血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド)
血糖検査
心電図検査

■医師が必要と判断した際に実施すべき項目■

腹部画像検査(胃部エックス線検査、腹部超音波検査)
血中の尿酸の量の検査
B型肝炎ウイルス抗体検査
ABO式およびRh式の血液型検査(派遣前に限る)
糞便塗抹検査(帰国時に限る)

また、国によっては就労ビザの獲得に、これ以外の項目が含まれている場合もあります。
ちなみに中国の就労ビザの場合には、HIV抗体検査、梅毒血清反応、肝炎ウイルス検査など感染症関係の検査が含まれています。

Q&Aで疑問点を一気に解決!

Q:再検査や精密検査が必要な場合はどうしたらよいですか?
A:できるだけ国内で検査をするようにしてください。
滞在先で受診させることも選択肢の一つではありますが、十分な検査が行なえない可能性も否定できません。

Q:要経過観察となった場合の対応は?
A:出張中の生活指導が必要になります。
出国前に指導を行い、産業保健担当者が電子メールなどで定期的に経過を聞くようにする等の方法があります。

Q:要治療の場合は?
A:その方の出張自体を検討する必要があります。
状態が安定している場合には、出張し、滞在先の医療施設で治療を受けることも可能だと思います。
滞在先で十分な治療が受けられないなどの理由で、日本の医師から遠隔的に治療を受けるケースも少なくはないと思うのですが、この場合には数か月毎に帰国して受診することが前提になります。

Q:では、どれくらい前に健康診断を受診させたらよいですか?
A:上記の回答のように、再検査、治療等の必要がでてくることもありますから、出国の1か月以上前には受診し、1週間程度で結果を受け取ることが望ましいのではないでしょうか。

この他にも、派遣出張前の健康教育や予防接種、滞在中の医療相談など数多くの対策が必要です。
派遣出張期間全体に係る総合的な健康管理対策の構築をこころがけていただくのがよいのではないでしょうか。

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