いのちを守る - 3月は自殺予防月間 –

毎年9月10日は、WHO世界保健機関が定めた「世界自殺予防デー」です。
日本では9月10日からの1週間を自殺予防デーにちなんで「自殺予防週間」としています。
また、3月1日から3月31日を「自殺対策強化月間」としています。

なぜ、日本では3月を「強化月間」としているのでしょうか?

春先に自殺が増える理由

この季節は、大人だけでなく子どもの自殺率も高まります。

新年度を迎えるにあたり、環境の変化に耐えられず「新しい環境を拒絶する」子どもも多いのです。
新しい環境への不安に関して、子どもは大人以上に過敏です。
しかし、社会経験が少ない子どもは、自分を守る術を知りません。

また、決算期を迎える企業も多く、精神的に追い込まれるサラリーマンが増加。
異動により、これまで培ってきた経験に基づく自信やネットワークをリセットするなど仕事の量的負担よりも「精神的なストレス」が高まる時期でもあります。

寒さの厳しい「冬」は、人々の気分や足取りを重くさせ、活動性が低下します。
しかし、寒さが緩み、陽の温かさを感じると、人は活動的になります。
これまで寒さで動きが鈍くなっていた人が、温かさに誘われて動き始める「春」は、その一歩を自殺への行動力として進めやすくなるという、季節的な要因もあるといわれています。

自殺者を誤解してませんか?

「死にたいと言う人は、言うだけで実行しない」

そんな言葉を耳にしたことはありませんか?

「本当に死にたいなら、さっさと実行しているはず」と、斜めから捉えていませんか?
「言っているだけで、死なないから大丈夫」と、根拠のない言葉を鵜呑みにしていませんか?

WHOによると自殺既遂者の9割が精神疾患を持ち、6割がその際に抑うつ状態であったと推定されており、日本では、高度救命救急センター搬送に搬送された自殺未遂者の8割以上に精神疾患が認められています。
また、実際の自殺者のうち “ 過去に自殺未遂をした人 ” が4割に上っており、死を口にする人の多くが、孤独、不安、抑うつ状態にあるといえます。

  •  死にたいのではなく“今の苦しさから逃れる方法として自殺しかない”と思い詰めている
  •  苦しさを呟いた「死にたい(死を考えるほどつらい)」がSOSと周囲は気付かない

このことからも、自殺未遂(自殺企図)者へのケアに取り組むことが自殺予防に繋がるともいえます。

身近な人を孤独にさせない

自殺(自殺企図)の可能性がある人を、早い段階で発見することが最も効果的ですが、環境も原因も複雑に絡まり、必ずしも精神科等への受診をしているとは限らないため、簡単なことではありません。
また、一人暮らしの人は、孤独に陥りやすく、自殺に向かう傾向もあるため、注意を払うことが必要です。

「死にたい」と呟く人がいたら、以下のことを心掛けてみてください。

  •  「何が辛いのか」を聴く
  •  その場で何かを解決することや提案は禁忌
  •  辛い気持ちを抱えた人と、真摯に向き合う

孤独に陥って思考が狭くなっている相手には、独りではないことを伝えましょう。

「私は、あなたがいなくなると哀しい」
「あなたは一人ではない」

この言葉が、周囲の誰かのいのちを守るきっかけとなることでしょう。

出典:WHO「Preventing Suicide: a global imperative」
翻訳:独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 自殺予防総合対策センター

■東京都福祉保健局【 東京都こころといのちのほっとナビ ~ここナビ~ 】
■厚生労働省【 自殺対策強化月間 つながる心ひろがる希望 】
■厚生労働省【みんなのメンタルヘルス】
■厚生労働省【 こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~ 】
■警察庁【平成28年の年間自殺者数・月別の自殺者数について(平成28年12月末速報値)】

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