運輸業界の長時間労働は私たちが作り出している

「春闘」と聞いて、馴染みのある人もいればない人もいるでしょう。
身近でない私にとって春闘とは、給与やボーナスの交渉の場だと考えていましたので、宅配業者の“宅配便の引き受け抑制”という労働者側の要求内容をニュースで見た時にはかなり驚きました。

労働者共通の願い、それは賃金値上げだけではない

今回のニュースで驚いた理由は、交渉内容がお金に関することではなかったからです。

そして交渉内容自体が、仕事を引き受けられない、というような労働者側からのギブアップだったということです。
調べてみると、春闘とは労使交渉の場で、賃金やボーナスについてはもちろんワークライフバランス実現に向けた内容も入っているんですね。
現状から業務量を減らしてほしい、仕事の依頼を受けないでほしい、という労働者側からの本音、そして、結果的に提供するサービスの質や利益の低下につながるのではないかと消費者に感じさせる内容でした。
実際は、荷物の取扱い個数は過去3年をみても億単位で増え続けている一方、利益が比例しているわけではないようです。

つまり、私たちの生活に欠かせない便利なサービスを提供してくれている裏で、ギリギリまで耐えていた労働者の努力と、利益を下げない企業の努力があったということです。

 運輸業の現実

デリバリーサービスをしている企業の中で、長時間労働がないという企業はあまり見たことがありません。
すべての運輸業が働き方について行き詰っていると言っても過言ではないでしょう。

ストレスチェックの結果をみても、運輸業は比較的健康リスクが高く出ます。
宅配ニーズが高まる一方、ドライバー不足ということもあり、働く人を確保することが難しく、現状を改善できないという悪循環。
そういう状況から、現時点で業務につく人にしわ寄せがいき、長時間労働が増えれば増えるほど労務災害のリスクも当然に高くなります。

企業のリスク管理体制がますます問われることになります。

 長時間労働は日本の課題

改めて言う必要もないことですが、長時間労働は日本の課題です。
しかし、消費者側に回ると途端に忘れてしまうこと、それは私たちが休んでいる間にも働く人はいるということです。
買い物に行かなくても家で買い物ができる時代。
私自身、普段の買い物は宅配を利用しています。
せめて自分が注文した荷物は一回で受け取れるよう、今後も気を付けていきたいと思っています。
不在票が入っているからまた頼めばよい、ということではなく、自分が在宅の時間に届けてもらうちょっとした気遣い、また、不在票が入ったら確実に在宅の日時を指定する工夫を1人1人が気を付けることで日本全体でのワークライフバランスが実現します。
サービスの需要がある限り、そして人手不足である限り、サービスの適正価格は上がります。
私たちは自分の働き方とともに日本の現状について考えることが求められているんだと思います。

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