過重労働面談のススメ

過重労働者面談<労働安全衛生法(H18年4月改正)>について

今から6年ほど前、過重労働者の医師による面接指導が義務化され、面談記録(産業医面接指導結果報告書)を5年間保存しなければいけないと法律が改正されました。
しかし未だに、「過重労働面談は、社員からの申し出がないので、実施していません」という企業様もあるようです。
申し出がないから面談をしていないということでは、安全配慮義務を果たしていることにはなりません。
そもそも会社は、安全配慮義務により、「社員の健康状態を把握」しなければならない義務があります。
健診の結果、異常所見があったことを知りながら(会社が選任した衛生管理者のお仕事です!)、その後、会社として何も措置を講じていない場合どうなってしまうのでしょうか。

社員が倒れたり亡くなったりした場合

社員が倒れたり亡くなったりした場合、その原因が長時間の労働によるものと認定されれば、安全配慮義務違反となり、悪質な場合は、責任者個人を司法処分(刑事罰)すると通達されています。(平成18年3月17日付け基発第0317008号)

Q.医師による「過重労働面談」の実施しなければいけない場合とは?

A.以下のとおりです。
(1)時間外・休日労働時間が1月当たり100時間を超える労働者であって、申出を行ったものについては、医師による面接指導を確実に実施するものとする。
(2)時間外・休日労働時間が1月当たり80時間を超える労働者であって、申出を行ったもの(①に該当する労働者を除く。)については、面接指導等を実施するよう努めるものとする。
(3)時間外・休日労働時間が1月当たり100時間を超える労働者(①に該当する労働者を除く。)又は時間外・休日労働時間が2ないし6月の平均で1月当たり80時間を超える労働者については、医師による面接指導を実施するよう努めるものとする。
(4)時間外・休日労働時間が1月当たり45時間を超える労働者で、健康への配慮が必要と認めた者については、面接指導等の措置を講ずることが望ましいものとする。

※ 申出とは、疲労蓄積が「なし」以外のチェックリストの提出があった場合と考えるべきです。
※ なお、長時間労働となった「翌月」までの間に、産業医面談を受けさせなければなりません。
※ また、その記録用紙を5年間保存する義務があります。

Q.「疲労の蓄積」はどのように判断?

A.厚生労働省による「疲労蓄積度チェックリスト」→厚生労働省のページを参照を社員に記入させた上で、産業医に提出してください。
疲労蓄積度が「なし」ではない、(重)(中)(軽)に該当する労働者全員を疲労が蓄積している労働者であるとみなさなければいけません。

Q.1ヶ月に80時間の残業であれば、産業医面談は不要ですか?

A.1ヶ月80~100時間の残業であれば、産業医面談は努力義務となります。
ただし、相当の時間外労働をしている事にはかわりないので、産業医との面談を勧奨するようお願いします。

さいごに

人事担当者は、社員の労働時間を把握し、過重労働の社員がいるのであれば、積極的に声を掛け、産業医面談を受診させるよう勧奨していくことが大切です。
産業医との面談だけで満足するのではなく、社員の健康・安全を第一に考え、風通しの良い働きやすい環境を整備にする事が、企業を成長させていく第一歩だと私は思います。

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藤原 実

藤原 実株式会社ドクタートラスト 大阪支店

投稿者プロフィール

ドクタートラストに入社後、早7年。業種規模問わず、さまざまな企業に訪問させていただいております。それらを踏まえ、アドバイスをさせていただきます! 産業保健についてより身近に感じていただけるよう、肩の力を抜いて情報をお届けします!
【保有資格】健康経営アドバイザー
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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