高層ビル、気候、持病……からだの不思議を感じる瞬間

世界中どこへ行っても大都市には高層ビルが立ち並んでいます。
日本国内においても20年ほど前にくらべ、都市部を中心に高層ビル、高層マンションの数が格段に増えました。
そんなビルやマンションを見て、「こんな場所で働いてみたい」「こんなところに住んでみたい」と憧れる人もいると思います。

エレベーターで感じる気圧の変化

高層ビルやマンションでは移動にはエレベーターが必要です。
低層階から高層階へ行くとき、高層階から低層階へ行くとき、あっという間に移動しますが、その間に気圧の変化を感じます。
地上から450m(スカイツリーの天望回廊)であれば気象状況による気圧変化の範囲内と言われています。
しかし高度が100m違うと10気圧程度の変化がありますので、私たちのからだにかかる圧が数秒で変化していることになります。

気候と病気の不思議な関係

気候の変化によってリウマチや喘息など受診患者の増減が見られることは昔からよく知られていました。
病院を受診するほどではなくても、低気圧になると、頭痛や肩こりが起こやすくなると感じている人もいるでしょう
気圧という観点のみで考えると、気圧が低くなることで今までかかっていた圧が低くなるため、血管が膨張し神経を圧迫したり、体液を押し出す力が余計に必要になることが考えられます。
自律神経の働きに影響を及ぼすことで体調不良を感じることもあるでしょう。
実際、関節リウマチについては、気圧とリウマチの関節症状との間に統計学的相関があることがわかっています。
しかし、血液の炎症を表す数値との相関はみられず、その原因はわかっていません。
「天気が悪くなるとリウマチが悪化する」「リウマチの痛みが悪化することで天気の崩れを予想する」等、実感は統計学的に相関関係があってもその原因は不明…。
医療の科学的進歩はめざましいものの、人体はそれを超えて複雑で、想像を絶するほど神秘的であると言わざるを得ないでしょう。

持病のある人は体調変化に敏感に

そもそも、高気圧と低気圧、耳にする機会は多いですが、これらはどのような状態なのでしょうか。
簡単に言うと、高気圧は地面や自分にかかる圧が高い状態、低気圧は低い状態で、高所へいくほどかかる圧は低くなります。
海面上での気圧は1気圧(1気圧=1,013hPa)とされますが、2015年東京での平均気圧は1,011.2hPaでした。
気圧は、地点によっても値が異なるため、私たちは現在生活している場所に順応していると考えてよいでしょう。
東京を例にとると、5月~9月頃が気圧は低い状態が続き、冬季は高い傾向にあります。4~6月頃、また、9~11月頃にかけては気圧変化に差があり、季節の変わり目と言えますので注意が必要です。
気象状況による気圧変化の範囲内とはいえ、高層階へ移動する時は、常にこの季節の変わり目の変化を受けていることになります。
高地順応と言われるように、人のからだはその環境に順応していきますので、軽いジョギングや水泳などの運動で心肺機能を高めることは健康にもいいですし、気圧変化にも対応できるようになります。
私たちに気圧の変化を及ぼす気候や高層の建築物と、上手に付き合っていきたいものですね。

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