耳にカビ?!イヤホンとの上手な付き合い方

通勤中の電車や街のなかで、耳にイヤホンを差し込んで歩いている人の姿をよく見かけます。音楽再生機器の軽量化や密閉型イヤホンの普及により、音楽を聞きながらの生活はより身近なものへとなっています。

しかしそんな身近なイヤホンも、使い方によっては体に害をなす可能性があるということをご存知でしょうか?

今回はそんなイヤホンとの付き合い方について話をしましょう。

耳にカビ!?密閉型イヤホンに気を付けよう

最近イヤホンといえばこの形、と言われるほど、普及してきているのが「カナル式イヤホン」と呼ばれる密閉型イヤホン。
ゴム等でできた柔らかいイヤーピースを耳にぴったり密着させることで気密性を上げ、外の音を遮断することでよりクリアに音楽を楽しむことができるイヤホンです。
しかし、耳の穴を完全にふさぎ密閉することで、耳内部の熱を上げ湿気がこもって耳垢等の汚れが発生しやすい状態になります。
実はその状態はカビの一種であるカンジダが大変好む環境なのです。

 

体に生えるカビ、カンジダ

通常、体にはカビが生えないとされています。カビの卵子等が付着しても、免疫や防御機能に守られている他、摩擦や洗浄によってすぐに剥がれてしまうため、増殖することなく、体から離れていきます。しかし、耳の中や爪など、接触や摩擦が少ない場所で高温多湿の場所に限り、カンジダという種類のカビが生えることが確認されています。

例えばこのカビが足の間に繁殖した場合、皮膚がはがれて膿んだようになり、一般には水虫と呼ばれる症状を引き起こします。
他にも最近ではジェルネイルと爪の間に水分が入ってしまい、グリーンネイルと呼ばれる症状や、妊婦などが感染していた場合、鵞口瘡等の病気を引き起こしたりします。
長時間イヤホンを付けっぱなしの耳は、耳垢等の汚れが発生しやすい状態になるという点で、まさにカンジダが好む環境と言えるでしょう。

カンジダが耳に繁殖した状態を外耳道真菌症と言います。

主な症状は

●耳に何かが詰まった感じになり、聞こえが悪くなる
●耳だれ等、耳汁が出る
●持続性のある痒みや痛みがある

ジワーっと食い込んでくるような、かなり特徴的な痛みがあるといわれています。
もし綿棒等での耳掃除を行ったとき、「真っ黒な耳垢が付いた」「耳垢が匂う」といったことがあった場合は、注意が必要です。

 

カビだけではない、イヤホンの脅威

もちろん、イヤホンの危険性はカビだけではありません。
長時間大音量で音楽を聴くことで、難聴を引き起こすこともあります。
イヤホンによる若年性難聴はこちらの記事からどうぞ。

耳鳴りや耳の閉塞感は耳のSOS!~ヘッドホン難聴~

難聴にならないために

そういった症状に悩まされないためには、可能な限りイヤホンの長時間使用を避けることです。
また、イヤホンの接触面を清潔に保ったり、イヤホンを強く差し込んで耳の表面を傷つけることのないよう注意したりすることが大切です。
音楽を聴きながら楽しい時間を過ごすため、なるべく長時間の使用は避け、耳を休ませるように心がけましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

大沼 泉株式会社ドクタートラスト ストレスチェック研究所

投稿者プロフィール

結婚・出産・育児といったライフイベントを乗り越えながら女性がいきいきと働くには、どんな職場環境が望ましいのか。ブラック企業から転職し、産休育休を経た経験をもとに、産業カウンセラー、そして働くママ社員の立場からさまざまな情報をお伝えしてまいります。
【保有資格】産業カウンセラー
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

この著者の最新の記事

関連記事

解説動画つき記事

  1. 【動画あり】「抗原」「抗体」ってなに? コロナ抗体検査は必要?

一目置かれる健康知識

ページ上部へ戻る