再確認したいストレスチェック制度の「目的」

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ストレスチェックでは回答結果が一定の基準値を上回った人は、「高ストレス者」として判定されます。
さてこの「高ストレス」という判定結果、どのように解釈するべきなのでしょうか。
今回は、「ストレスチェック制度」という制度そのもののとらえ方について、主に企業内で実施事務に携わる人向けに考察してみます。

高ストレス者は病人ではない

実際にストレスチェックを実施して、「高ストレス」という判定を受け取れば、どうしたらいいのか戸惑う社員は少なくないと思います。
自分はうつ病なのだろうか、何か精神障害があるのだろうか…と不安になる方も出てくるでしょう。
ストレスチェック制度が創設された背景に年間自殺者や精神障害等による労災認定が依然高い水準で推移していることがあったことから、ストレスチェック制度の判定結果である「高ストレス」のとらえ方が誤解されやすいようです。
ここで気をつけていただきたいのが、ストレスチェックは、病気や精神障害を判定するためのテストではないということです。
つまり、今回のストレスチェックの結果、「高ストレス者」と判定されても、「病人」ということではありません。

調査票に関する注意点

ストレスチェックでは、厚生労働省推奨の調査票を使用している企業が大半だと思います。
この調査票をもって、「高ストレス」かどうかの判定を行うのですが、調査票には下記のような注意点があります。

1)職業性のストレス調査票であり、仕事外のストレス要因等、たとえば家庭生活におけるストレス要因などについては測定していません。
2)回答者のパーソナリティについて考慮されていません。評価にあたっては、自記式の調査票にみられる個人の回答の傾向について、考慮する必要がある場合があります。
3)調査時点のストレス状況しか把握できません。
4)結果が、必ずしもいつも正確な情報をもたらすとは限りません。

つまり、今回のストレスチェックの結果だけで、個人のストレス状況がすべて判明するわけではなく、あくまで個人のストレス状況を知るための「一つの指標」として認識すべきだということです。

大切なのは社員自身がストレスを把握すること

また、設問内容に正直に答えなかった社員がいたとしても、受検時に調査票の設問を読むことで、受検者が自分の現状に目を向ける機会にすることはできます。
今回のストレスチェックの目的は、社員自身のストレスへの「気づき」です。
高ストレスか否かという、ストレスチェックの結果だけにフォーカスするのではなく、受検時および受検後に、自分自身への問いかけと生活を振り返るきっかけとすることが大切です。
そもそも人は自分が今どういう状態かに無頓着な生き物です。
そういった意味でも、ストレスチェックの実施は有意義だと思われます。
また個人だけではなく、企業のストレスチェック義務化において、今までの時間外労働や休日などの量的観点とは異なる健康管理を法で定めたことは、日本社会の新たな一歩といえるでしょう。
制度の運用面や複雑さゆえに、その有効性についてさまざまな声があがっていますが、今一度ストレスチェック制度の目的に立ち返り、その上で準備・運用を行っていきたいものです。

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