部下から上司へのパワハラもあり得る~個人パワハラ撃退法~

パワーハラスメント(以下パワハラ)という言葉は、誰でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
都道府県労働局に寄せられる「いじめ・嫌がらせ」の相談件数によると、平成14年度に約6,600件だったのに対し、平成26年度には62,191件と約10倍にまで増加しています。
今や社会問題となっているパワハラですが、その行為の定義をご存知でしょうか?

パワハラの定義

厚生労働省が平成24年1月30日に公表した、パワハラの定義とは下記のとおりです。

職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性(※)を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。
※上司から部下に行われるものだけでなく、先輩・後輩間や同僚間、さらには部下から上司に対して様々な優位性を背景に行われるものも含まれる。

部下から上司へのパワハラもある

パワハラというと上司から部下、先輩から後輩のように権力の強い者から弱い者へ行われるイメージが強いですが、定義に記載されているように部下から上司へのパワハラもあり得ます。
たとえば、営業成績1位の部下Aが万年係長の上司Bを無視するといった行為は部下Aから上司Bへのパワハラとなります。

パワハラの類型

以下が、パワハラの典型的な6つの分類です。
ただし、これらがパワハラに該当する行為のすべてではありません。
これ以外の行為は問題ないということではないことに注意しましょう。

① 身体的な攻撃(暴行、傷害)
<例>
胸ぐらを掴む、髪を引っ張る、火の着いたタバコを投げる

② 精神的な攻撃(脅迫、名誉棄損、侮辱、暴言)
<例>
皆の前で大声で叱責。物をなげつけられる。ミスを皆の前で大声で言われる
お前が辞めれば、改善効果が300万円出るなど会議上で言われる

③ 仲間外し、無視、隔離(人間関係からの切り離し)
<例>
報告した業務への返答がない。部署の食事会に誘われない
挨拶をしても無視され、会話をしてくれない

④ 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
<例>
終業間際に過大な仕事を毎回押し付ける
一人では無理だとわかっている仕事を一人でやらせる

⑤ 過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
<例>
営業なのに買い物、倉庫整理などを必要以上に強要される

⑥ 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
<例>
交際相手の有無について聞かれ、過度に結婚を推奨された
個人の宗教を、皆の前で言われ、否定、悪口を言われる

補足
①は、業務の遂行に関係するものであったとしても、「業務の適正な範囲」に含むことはできません。
②と③については、通常、業務の遂行に必要な行為とは想定できませんので、原則として「業務の適正な範囲」を超えるものと考えられます。
④から⑥までは、業務上の適正な指導との線引きが難しいケースがあります。
こうした行為について、何が「業務の適正な範囲」を超えるかは、業種や企業文化によって違いが生じます。
また、行為が行われた状況や行為が継続的であるかどうかによっても、判断が左右される場合があるため、各企業・職場で認識をそろえ、その範囲を明確にする取組を行うことが望まれます。

個人ができるパワハラ対策

■社内の相談窓口に相談する
■社外の専門機関を検討する
社内の相談窓口がない場合や相談しづらい場合は社外の専門機関に相談してみましょう。
※パワハラに関する相談機関は以下のページを参考にしてください。
http://www.no-pawahara.mhlw.go.jp/inquiry-counter

■被害があった出来事を記録しておく
・いつ
・どこで
・誰が
・どのように
というポイントで詳細に記録しておくことが大切です。
また、ICレコーダーを使って実際のやり取りを録音しておくのも有効です。
受け止め方や感じ方は人それぞれです、気づかぬうちに加害者になってはいないでしょうか?
職場の一人ひとりが、それぞれの立場から、職場のパワハラ問題について自覚し、考えること。そして他者を思いやる気持ちが必要です。

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