雨の日の頭痛、「気象病」かもしれません
- 2015/11/25
- 健康管理

雨が降ると憂うつになったり、晴れの日には気分がよくなったり、皆さんもふだん感じることがあるのではないでしょうか。
気象の変化は、気持ちだけでなく、私たち人間の体にさまざまな影響を及ぼしています。
今回は、近年認知されつつある気象病について、ご紹介します。
気象病とは
低気圧が近づいている時や雨の日などに、頭痛がしたり、体のふしぶしが痛むなど、体調がすぐれないという方も少なくないと思います。
こうした気象(気圧、温度、湿度)の変化によって、出現する症状や症状が悪化することを総じて、気象病と呼びます。
その中でも特に、気圧が低い状態で出る症状を指すことが多いとされています。
気象病のメカニズム
気象の変化は、まず体の平衡感覚を調整している内耳が感知し、その情報が刺激として脳へ伝わり、自律神経に影響を及ぼすといわれています。
もともと人の体には、外部環境つまり気象などの変化があっても、それらに左右されずに体内の内部環境を一定に保つ機能(ホメオスタシス)が備わっています。
それらの機能には、自律神経の働きが関わっています。
しかし、あまりにも外部環境(気象)の変化が急激であったり、大きく強すぎることで、それらに体が順応しきれずに自律神経のバランスが乱れ、次のような症状が出現します。
主な症状
気象の変化によって、出現する症状や悪化する症状としては、主に以下があげられます。
- 頭痛
- めまいや耳鳴り、吐き気
- むくみ
- 関節痛(膝や腰が痛む)
- 神経痛
- 過去の外傷箇所
たとえば、気圧の変化で自律神経のバランスが崩れると、痛みを増長させるヒスタミンという物質が分泌されやすくなります。
ヒスタミンは、血圧低下や血管拡張、炎症反応などを起こしやすくする作用があります。
そのため、血管拡張により全身や脳への血流悪化により、ズキンズキンという拍動性の頭痛がおきます。
また低気圧(体にかかる圧力の低下)により体の組織がむくみ、それらが神経にふれることで神経痛や関節痛などの症状が出やすくなります。
気管支喘息を持っている人などは、低気圧による気道のむくみなどから呼吸が苦しくなることもあるので、注意が必要です。
またこれらの症状は個人差があるのはもちろんのこと、気象に関連していないこともあります。そのため、気象と自分の症状の記録を付けるなどし、症状がひどい場合などは医療機関を受診しましょう。
予防と対策
気象病の発症を未然に防止するには、規則正しい生活により自律神経のバランスを保つことが一番の予防になります。
- 規則正しい生活を心掛け、生活のリズムを整えましょう。(※昼夜逆転は自律神経のバランスを崩します)
- 塩分や水分の摂りすぎに注意しましょう。(低気圧によるむくみを解消するため)
- 体を締め付けるような下着や服装の着用は避けましょう。(血行を妨げないため)
- 入浴や適度な運動、ストレッチをしましょう。(血行促進、自律神経のバランスを整えるため)
- 過剰な冷暖房は避けましょう。(気象や季節の変化に身体を慣らし順応させるため)
正しい食生活、十分な睡眠と適度な運動はもちろんのこと、上記に気をつけて、気象の変化に負けない体を作りましょう!