マタハラによる初の公表事案

昨今、社会的な問題となっている妊娠・出産などを理由とする不利益取扱いは「マタニティハラスメント」(通称:マタハラ)として認知されるようになりました。
男女雇用機会均等法(以下「法」という)第30条において、法第29条第1項に基づく厚生労働大臣による勧告に従わない場合、その旨を公表できる制度が設けられていますが、今般、初の公表事案が生じました。

妊娠を理由に解雇とした公表事案

厚生労働省は、茨城県のクリニックで妊娠を理由として20歳代の看護助手の女性を解雇し、是正勧告にも従わなかったとして同クリニックの実名発表をしました。
2015年2月に女性が妊娠を報告したところ解雇を告げられ、相談を受けた茨城労働局が指導や是正勧告を繰り返したが同クリニックは従わず、塩崎厚労相の是正勧告にも応じなかったため公表されることとなったのです。

違法な不利益取り扱い

妊娠・出産、育児休業等の事由を「契機として」不利益取扱いを行った場合は、例外に該当する場合を除き、原則として法違反となり、行政指導や、悪質な場合には事業主名の公表が行われます。

「妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの例」
1 解雇すること。
2 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと。
3 あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること。
4 退職または正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと。
5 降格させること。
6 就業環境を害すること。
7 不利益な自宅待機を命ずること。
8 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと。
9 昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと。
10 不利益な配置の変更を行うこと。
11 派遣労働者として就業する者について、派遣先が当該派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を拒むこと。

<例外1>
業務上の必要性から不利益取扱いをせざるをえず、業務上の必要性が、当該不利益取扱いにより受ける影響を上回ると認められる特段の事情が存在するとき

<例外2>
労働者が当該取扱いに同意している場合で、有利な影響が不利な影響の内容や程度を上回り、事業主から適切に説明がなされる等、一般的な労働者なら同意するような合理的な理由が客観的に存在するとき。

マタハラに関する相談窓口

マタハラに関する相談窓口を日本労働組合総連合会が下記日程で行っています。
もしトラブルや悩みを抱えていれば、一度相談をしてみるのも手でしょう。

2015年9月17日(木)10:00~20:00
参照リンク:http://www.jtuc-rengo.or.jp/campaign/ph_dial_201509/index.html

実名が公表されたことにより今後マタハラによる違法行為への抑止が期待されます。

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檜森 哲株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

総務・経理業務の経験から、企業の労働環境を向上できるような記事やトピックをお伝えしていきます。また、昨今の働き方改革に伴う業務効率化についても積極的に情報を発信していきたいと思います。
【保有資格】第一種衛生管理者
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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