長引く咳は「肥満喘息」かもしれません!
- 2015/9/16
- 病状・症状

喘息(ぜんそく)はこどもの病気ではない!
「喘息(ぜんそく)」というと、最近子どもに増えている病気……という印象はないでしょうか。
確かに子どもの喘息は増えており、今や子どもの人口の7%程度が喘息を抱えているといわれています。
それでは、大人は?
実は、大人も人口の3~4%が喘息を抱えているのです。
しかも、子ども同様患者は増えており、この30年で3倍になったというデータもあります。
咳が長引いていて、なかなか治らない……と思って受診したら、気管支喘息だったということも珍しくありません。
しかも大人の喘息は「肥満」が原因の可能性があるのです。
今回は「肥満喘息」の概要、症状などをわかりやすく解説します。
実は喘息の原因となる「肥満」
大人が喘息になる原因は、いくつかあります。
息の通り道である気道に風邪などのウイルスが感染し、さらに過労、ストレスが加わって発症することも頻繁にあります。
そして、見逃せない原因が「肥満」。
BMIが30を超えると、喘息の発症率は2倍になるという研究結果も報告されています。
なぜ肥満と喘息が関係するのでしょうか。
肥満になると、物理的に脂肪が肺を圧迫し、気道が狭くなるのは、なんとなく想像しやすいかと思います。
しかし、実際は体重が増えることで、細胞レベルでの変化も起きてくるのです。
肥満細胞から出るレプチンという物質が、さまざまな炎症のもととなる「好酸球」の働きを促したり、喘息の薬の作用そのものを弱めてしまう可能性も示唆されています。
つまり、喘息にとって、肥満は大きな悪化要因ということです。
長引く咳は早めの受診を
台風が訪れる秋は、喘息が悪化しやすい時期。
喘息に特徴的な症状には、以下のようなものがあります。
- 早朝や夜中に咳き込む
- 風邪を引いてから咳が長引いている
- 運動をしたり走ると息苦しい
特徴的なのは、「早朝や夜中の咳き込み」です。
日中はあまり咳が出ないので、なんとなく受診を先延ばしにしてしまい、症状が悪化しがちです。
さらに、市販薬で様子を見ても、喘息の症状は軽快しません。
(※ 大人の喘息が自然治癒する確率は1割以下とされています)
1日も早く、適切な予防薬や発作時に使用する薬剤を処方してもらう必要があるのです。
まずは近くの内科(呼吸器科も標榜してあればなお可)を受診して、症状を詳しく医師に伝えましょう。
アレルギー体質の人は気を付けて!
まだ喘息を発症していなくても、誰にでも発症する可能性はあります。
特にアレルギー体質の人は、要注意!
風邪を引いたら過労・ストレスをなるべく避けてしっかり休み、体重が明らかにオーバーであれば、減量ももちろん必要になってきます。
高齢者の喘息は悪化しやすく、治療が困難なケースも多いため、働き盛りの今のうちから発症・悪化予防を続けることが大切です。