胃がんを抜いて1位に!男性のなりやすいがん1位の大腸がんとは?
- 2015/8/5
- 病状・症状

先日、国立がん研究センターより、国内のがん拠点病院の2013年度診療実績を公開した。
注目すべきは、今まで男性のがん罹患率1位であった胃がんを抜き、「大腸がん」が1位になったことだ。
大腸がんが増えた原因とは?また、大腸がんを早期発見するためにできることとはなんだろう?
大腸がんの原因とは?
大腸がんが増えた1番の原因は、高齢化そのものにあるとされている。
大腸がんに罹患する人が増えてくるのは、50歳を超えてからだ。
働く世代で、50歳を超えた方は、体調管理に十分注意する必要がある。
また、大腸がんの原因になるものは、高脂肪な食事であることがわかっている。
肉類では、牛肉・豚肉の食べ過ぎは要注意だ。また、ポテトチップスや干物など、調理してから時間のたった油も原因の1つとなる。
大腸がんにならないためには?
まずは、脂質を過剰に取らないようにこころがける。
肉類であれば鶏肉を、できれば脂質の少ないささみや鶏胸肉を意識して食べるように心がけると良いだろう。
あまり肉を食べないから・・・という人であっても、間食に、フライドポテトやポテトチップスなどを多く食べる人は注意が必要である。
更に、大腸がんを予防することがわかっているのは「運動」だ。
運動をすると、大腸の内容物が動き、発がん物質と大腸粘膜の接触時間が長くなるためと考えられている。
更に、がんを発生しやすくするプロスタグランディンや性ホルモンの過剰な分泌も抑制される。
そのため、定期的な運動を続けていると、大腸がんになる確率は40~50%も低下するという研究結果が発表されている。
座り仕事をしていると、大腸がんにかかる確率は増えることがわかっている。
忙しい合間であっても、歩くことを心がけたり、週末は意識して体を動かすようにしたい。
大腸がんの初期症状
大腸がんは、他のがん同様、初期には無症状であることが多い。
がんが進行してくると
・血便
・細い便
・便秘と下痢を繰り返す
・腹部の張り
・貧血
・食欲不振
・腹痛(お腹のゴロゴロと一緒に起きる)
・・・などがある。
健康診断はここに注意!
大腸がんの早期発見には、定期健康診断でも行われることの多い「便潜血検査」が最も有力な検査だ。
検査日にちょうど排便がなかったり、面倒で・・・と検査をスキップする方も少なからずいると思うが、便潜血検査は、大腸がんを発見するための唯一簡便な検査であることを忘れないで頂きたい。
腹痛や下痢、便秘、血便などの症状が現れてしまうと、がんが進行した状態になっていることが考えられる。
また、よく受ける質問として、2回便を採取しなければいけなかったが、1回しかできなかった・・・という場合。
このような時は、1回しか取れなかった旨を申告して、その1回分を提出した方がよい。
もちろん2回採取した方が診断精度は上がるが、1回であっても、大腸がんなどの異常を見つける手掛かりになる可能性は充分ある。
会社の定期検診で、便潜血検査がないんだけれど?
便潜血検査は、実は法律で定められている会社員の最低限の健診項目(法定項目)には入っていない。
そのため、会社の健康診断では便潜血検査がない方もいらっしゃるだろう。
そのような場合は、健診機関へオプション検査が受けられるか問い合わせてみよう。
市町村の大腸がん検査を受けたり、郵送キットでの検査を受けることもできる。
大腸がんは、進行が遅く、早期に発見すれば助かる確率の高いがんだ。
50代を迎えると、定期健康診断でも「要再検査」「要精密検査」の項目が増えてくる年齢だが、面倒だからと放置せず、きちんと病院を受診することが何より大切である。