人事課長はストレスチェックに関われるの?

いよいよ12月に施行が迫る、ストレスチェック制度。
ストレスチェック(以下SC)の対応に関しては、人事部が担当部署として対応している企業も多いだろう。
その中で注意したいのが、SCに関わる担当者の「人事権」の有無に関してだ。

人事権があると、実施の事務には従事できない!

今回のSC実施にあたり、以下の取り決めが設けられた。

労働安全衛生規則 第52条の10
2 検査を受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施に事務に従事してはならない。

上記の取り決めが設けられた。
労働者の健康情報を取り扱う事務に関して、社長(事業者)や専務、人事部長といった人事権を持つ者が行うことは出来ない。
SCの結果が受検者の不利益となることがないよう、またその不安を与えないためにだ。
では「人事課長」というポストの対応可否に関してはどうだろうか?

企業毎に人事権の有無が変わる課長職

ポイントとなるのは、「解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者」の定義について。

通達では、「人事を決定する権限を持つこと又は人事について一定の判断を行う権限を持つこと」とされている。
この「人事について一定の判断を行う権限を持つこと」という部分が非常に曖昧であり、どこまでの判断が、この範囲に含まれるのか、頭を悩ますケースも多いだろう。
「うちの会社の人事課長にはそこまでの権限がないから大丈夫!」と、対応可能と判断してしまってもいいものだろうか?

人事課長が実施事務を行うのは避けるのが妥当。もしものために…

結論から言えば、人事課長の実施事務従事は、避けることが望ましいだろう。
なぜならば、SCの結果が高ストレスと判断された労働者から、「SCの結果、不利益な人事異動を命じられた」とクレームが上がった場合、その人事課長が、原因として標的になることが考えられるからだ。
人事権の有無に関して、「一定の判断」という曖昧な線引きが争点となるケースだ。
SC実施に際しては、実施前に実施内容の労働者への説明が求められる。
その際、実施事務に従事するメンバーも情報提供されるはずだ。
しかし、上記のようなケースでは、その際は異議申し出なく進んだもののSC実施後のクレーム発生、というパターンが充分想定される。

SCにおける人事権の有無に関してグレーゾーンである人事課長というポスト…余計な火種は取り除く、といった対応が懸命ではないだろうか。

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