
メイソンジャーとは
アメリカのキッチンで愛され続ける、保存容器の定番「メイソンジャー」。
レトロなデザインと使い勝手が女性誌などで紹介され、たちまち日本でもブームとなりました。
見た目は普通のビンのように見えますが、特徴的なのは2つに分かれる蓋にあります。
リング状になっている蓋を上から締め付けることで、より密閉度を高め、こちらに保存したサラダは冷蔵保存で5日間持つといわれています。
そのため、一度にまとめて作り、保存食として手軽に活用している方も少なくないようです。
手軽さの裏に潜む食中毒の危険
さて、長期保存が特徴のジャーサラダですが、清潔を怠った場合は菌の温床となってしまいます。
いくら密閉性の高いメイソンジャーであっても、ビンの内側に細菌がある状態で食材を入れれば、それは自ら食中毒の機会を作ることに……。
梅雨入りし、高温多湿なシーズンを迎えるこの時期、ただでさえ食品も傷みやすいため、安全に美味しく食べるために必要なことをいま一度おさらいしてみたいと思います。
ジャーサラダで起こる食中毒を防ぐために
● まずは「つけない」、基本は「手洗い」
手指を介して食品に菌をつけてしまう「二次汚染」を、まずはしっかり予防。
汚れはもちろん、ハンドソープの泡など洗い残しがないよう、しっかり流水で洗い流しましょう。
● ビンは煮沸消毒を
保存ビンは、ものを詰める前に必ず煮沸消毒してください。
メイソンジャーは耐熱性があるため、煮沸消毒しても問題ありません。
ただし、ガラスは急激な温度変化があると割れやすいという性質があるため、沸騰した水に急に入れるのではなく、水と一緒に温めることで温度変化をなくし、割れを防止できるとよいでしょう。
具体的には、大きな鍋に容器が隠れるくらいの水を入れ、ビンを加熱してください。
目安は、農林水産省が推奨しているこちらの条件を参考に。
温度 | 時間 |
100℃ | 30秒間 |
90℃以上 | 5分間以上 |
75℃以上 | 15分間以上 |
(引用:農林水産省サイト「食中毒から身を守るには」より)
また、煮沸後のビンは布巾で拭かず、余熱で乾かすか清潔なキッチンペーパーの上に置いて、しっかり乾かしましょう。
● 野菜はきちんと水を切る
水気を含んだ食材は、食品を腐敗させる条件となります。
入れる時は、野菜の水切りを十分に行ってください。
● 素手で詰めない
どれだけ丁寧な手洗いをしても、目には見えない雑菌が指のシワなどに残っている場合があります。
そのため、食材を詰める際は清潔な菜箸やトングを使うこと、また手を使う場合は手袋着用を心がけましょう。
● 3~4日間のうちに食べきる
上記留意して詰めたジャーサラダでも、5日間保存がきくかというと、この時期の食中毒リスクを考えると保存期間は3日程度がよいでしょう。
入れる食材にもよるが、特に卵はいたむのも早いため、当日中には食べきってください。
● 持ち運びにも注意
すぐに冷蔵庫で保存できれば一番ですが、オフィスでのお弁当用に持ち歩く場合は、以下の点に注意してください。
・ 断熱効果のあるバッグに入れる
・ 保冷剤を一緒につける
・ オフィスについたらすぐに冷蔵庫へ
忙しい皆さまにとっては手軽に、そして数日保存のきくメイソンジャーは魅力的な保存容器。
ただし、衛生管理ができてこその容器活用です、
冷蔵保存であっても緩やかに腐敗は進んでいることを念頭に、安全・清潔で美味しく野菜生活を楽しみましょう。
<参考>
「食中毒から身を守るには」(農林水産省)