職場におけるメンタルヘルス対策の現状

警察庁によると、自殺者のうち職業別では「被雇用者・勤め人」が7,164人(28.2%)、原因・動機別では「勤務問題」とする者が 2, 227 人(8.8%)であった。そのうち、精神疾患における労働災害で自殺による請求件数が約半数を占め、過去最多となっている。

こうした現状の中、ストレスチェック制度の義務化が始まるなど、メンタルヘルス対策が行われている。そこで、今回は職場におけるメンタルヘルス対策の現状について、紹介する。

 

職場でストレスを感じている労働者は、約半数!

労働安全衛生調査によると、仕事で強い不安や悩み、ストレスを感じている労働者が52.3%となっている。その要因の第1位に、仕事の質や量があげられていることから仕事量とストレスの関連が少なからずみられる。

<職場におけるストレス要因>

ストレス要因の図

(出典:厚生労働省による労働安全衛生調査)

実際に、これらの職場でのストレスを相談できる相手がいると答えた労働者は9割と高い。一方で、相談する相手がいないという者が1割いるということになる。また相談相手は社内外にいるという者が多く、医療職に相談するという者も少なからずいることがわかった。

<職場の悩みを相談する相手>

  • 第1位 家族・友人 83.2%
  • 第2位 上司・同僚 75.8%
  • 第3位 産業医 8.1%
  • 第4位 保健師、看護師 5.0%

ストレスを発散する方法はさまざまだが、日頃から相談できるような職場環境や気軽に相談できる窓口(専門職や社外機関など)を設置するなど、相談機会の提供が重要と考えられる。

 

メンタルヘルス不調者を把握している事業所は、約6割

労働安全衛生特別調査(5年に1回)によると、メンタルヘルス不調者をきちんと把握している事業所は6割で、その把握方法としては、上司や同僚による情報が最も多い。

<メンタルヘルス不調を抱えた労働者の把握方法(複数回答可)>

把握方法 図

(出典:厚生労働省による労働安全衛生特別調査)

そのため、メンタルヘルス不調の兆候に気づいたときに、専門の医療スタッフにつなぐことができるように体制を整えたり、またメンタルヘルスの不調の兆候について具体的な症状や対応などを事業所全体で共通理解をしていくことが求められる。

 

メンタルヘルス対策への取り組みの現状

対策をしている事業所は約6割、300 人以上の事業所に至っては9 割を超えており、規模が大きくなるほど高い。また具体的な内容としては、主に労働者へのメンタルヘルスに関する情報の提供や研修の機会、相談窓口を設けるなどである。

 

<メンタルヘルス対策の具体的な内容>

  • 労働者への教育研修・情報提供」46.0 %
  • 「事業所内の相談体制整備」41.8 %
  • 「管理監督者への教育研修・情報提供」37.9%

 

対策をしていない事業所は、下記を理由としてあげている。しかし、対象の労働者がいなくとも未然に防ぐためにも、対策への取り組みは重要になる。そうした対策は、事業場の実態に則し行うことが必要となるため、まずは事業所における現状を調査し、把握することが求められる。

<メンタルヘルス対策に取り組んでいない理由>

メンタルヘルス対策 図

(出典:厚生労働省による労働安全衛生調査)

国の施策として、過労死等対策推進法の施行により平成29年までにメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上とするとしている。そのため、まずは事業別におけるさらなる実態解明、調査を進めることが求められる。

 

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