
体にとって塩分って??
塩分は、体内に一定の割合で含まれており、生命維持に欠かすことができない重要な役割を果たしている。そのため、急激な塩分の喪失は命に関わることもある。
体には多すぎず、少なすぎず、適度な塩分が必要であるが、現在の日本人の食生活においては、過剰摂取が問題になっている。
どのぐらい摂るのが適切?
塩分を摂り過ぎることで起こると言われているものに高血圧がある。塩分を摂取すると、体内の濃度を一定に保つために水分を取り入れ(喉がかわく)、血液量が増え、血圧の上昇につながる。
高血圧は、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高める。生活習慣病予防の観点からも塩分摂取量は重要である。
食事摂取基準をご存じだろうか。健康増進法第30条2に基づき、国民の健康の保持・増進を図るうえで摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準を厚生労働省が定めるものであり、5年ごとに改定されている。
2015年に改定された際、塩分(食塩相当量)の基準が変更された。高血圧予防の観点からである。詳細は下記の表に記す。
2010年版 | 2015年版 | |
18歳以上男性 | 9.0g/日未満 | 8.0g/日未満 |
18歳以上女性 | 7.5g/日未満 | 7.0g/日未満 |
※あくまでこれは健康な方の基準。食事療法中の場合は6.0g/日未満が一般的であるが、主治医の指示に従う必要がある。
平成25年の国民健康・栄養調査結果によると、成人の食塩摂取量の平均値は男性11.1g/日、女性9.4g/日であった。結果から、生活習慣病予防のために、減塩が必要であることがわかる。
おいしく減塩するポイント
減塩すると味気なく、食事がすすまないという方もいるのではないだろうか。そこで、おいしく減塩するポイントを紹介する。
*薬味や香辛料をきかせる
⇒しょうが、胡椒、唐辛子、わさび、などの薬味や香辛料を用いる。
*酸味を効かせる
⇒レモン、ゆず、酢などを利用して酸味を効かせると塩分控えめでもおいしく食べることができる。
*食材本来の味を楽しむ
⇒旬の食材や新鮮な食材を選ぶ
*塩分の使い方にメリハリをつける
⇒しっかりした味付けにしたものは1品にし、その他はできるだけ塩分を使わないようにする。
*汁物は具だくさんに
⇒味噌汁やスープなどは野菜など具を多くすると汁の量を控えられ、減塩できる。
*減塩しょうゆ、減塩味噌を使う
*かけて食べるよりつけて食べる(醤油など)
おいしく、健康に!ぜひ、食生活を見直してみていただきたい。