節電の落とし穴―暑すぎる職場に注意―

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5月も半ばを過ぎ、夏のような日差しの日も増えてきました。
大震災以降、夏になると省エネや節電が以前にも増して推奨されるようになり、「エアコンの設定温度は28度」というスローガンが家庭だけでなく、職場においても広く用いられるようになっています。

エアコン28度設定 実際の室温に差

ただし、ここで注意すべきは、エアコンの設定温度を28度にしたからといって、必ずしも実際の室温が28度になるわけではないということ。
人だけでなく、パソコンやコピー機などから発せられる熱により、28度設定のオフィスでも30度を超えるケースが多々みられます。
30度以上の室内に長時間いれば、人によっては熱中症の症状が現れることもあります。
また、とある研究のデータによると、室温が25度から1度上がるごとに作業効率が2%ずつ低下したという結果もあります。

事務所衛生基準規則による室温の規制

事務所衛生基準規則とは、労働安全衛生法に基づき事務作業に使用される事務所の労働環境に関し、同法の適用・実施の具体的な基準を定めたものです。
労働災害を防止するために事業者が守るべき基準を定めたものであるため、これらの基準に適合していない労働環境で労働災害が発生した場合には、事業者が罰せられることとなります(労働安全衛生法119条)。

節電において掲げられる「エアコンの温度設定は 28度」は、この事務所衛生基準規則によるものです。

事務所衛生基準規則
(空気調和設備等による調整)
第五条 事業者は、空気調和設備(空気を浄化し、その温度、湿度及び流量を調節して供給することができる設備をいう。以下同じ。)又は機械換気設備(空気を浄化し、その流量を調節して供給することができる設備をいう。以下同じ。)を設けている場合は、室に供給される空気が、次の各号に適合するように、当該設備を調整しなければならない。
3 事業者は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温が十七度以上二十八度以下及び相対湿度が四十パーセント以上七十パーセント以下になるように努めなければならない。

ただし、上にも述べたとおり、エアコンの設定を28度にしたところで必ずしも室温が28度になるわけではありません。

節電効果にばかり気をとられ、本来の温度設定の意義を見失っては本末転倒でしょう。
事業者は作業環境や労働者の体調等を考慮して、エアコンの設定温度の画一的な適用を避け、柔軟な運用を心がけましょう。

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池田 三菜子

池田 三菜子株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

総務・経理を経て、現在は営業事務にて幅広く社員をサポート。20代は好き勝手生きてきましたが、一児の母となった今、時間の大切さを痛感中。
「効率化」「時短」「思いやり」を胸に、共感をいただけるお役立ち記事を発信していきたいと思っています。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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