介護休業が変わる?

いつ直面するかわからない問題

介護休業・介護休暇という制度をご存知だろうか?育児休業や看護休暇に関しては以前と比べて周知され、積極的に取得する雰囲気が広まっているように思うが、「介護休業・介護休暇」はまだまだ知らない人も多く、取得率が低いのが現状だろう。しかし、昨今の高齢化社会においてほとんどの人が男女問わず直面するのが「介護」の問題だ。

・施設の入所待ちが長びいてしまった
・予期せず脳梗塞を発症し、突然介護が必要になった
・認知症を発症し、目が離せない状態になってしまった

など、介護はいつ発生するか、いつまで続くのかわからず見通しが立たないことが多い。介護のために夫婦のどちらかが仕事を辞めるケースもあれば、親だけでなく働きながら配偶者を介護する立場になることもあるだろう。

年5日の介護休暇

働く人の介護に関しては「育児・介護休業法」という法律があり、介護に関わる休業が定められている。まず、介護休業に関しては、「労働者は、申し出ることにより、要介護状態(2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)にある対象家族1人につき、常時介護を必要とする状態ごとに1回の介護休業をすることができる。期間は通算して(のべ)93日までとする。」とされており、対象の家族1人につき、要介護状態になる毎に1回、通算93日まで取得できるようになっている。つまり一度要介護状態になった家族が回復し、その後また要介護状態になった場合でも、合計して93日以内であれば複数回介護休業を取得できるように定められているのだ。

また、介護休業とは別に介護休暇という制度が平成22年から新たに施行されており、要介護状態の家族の介護・通院の付き添い・介護に関する手続きのためなどに、対象家族1人につき年間5日休暇を申請することができる。例えば、両親がともに要介護状態であれば、年間10日休暇を取得することが可能だ。

介護休業をよりフレキシブルに

現在厚生労働省では2017年の導入を目処に、介護休業・介護休暇の改正を検討している。現状で介護休業は合計93日以内であれば繰り返し取得できるものの、1回の病気や怪我につき1度の休業と決められている。しかし、認知症や脳梗塞など短期間での改善が見込めない病気も多く、1回の病気や怪我の中でも分散して取れるようにしたり、介護休暇も半日に分割して取得できるようにすることが検討されているようだ。

介護はゴールの見えない長い道のりであり、自分で介護したい気持ちと自分だけでは難しいという気持ち、また仕事はどうすればいいのかという大きな葛藤を伴う。ワークライフバランスを考える上で避けて通れない介護の問題。次回の改正で、働く人々の選択肢が増えるよう期待したい。

 

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田中 祥子株式会社ドクタートラスト 産業保健部 保健師

投稿者プロフィール

企業の健康管理室で働いていた経験をさまざまなかたちで皆さまにお届けします。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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