
異例の労災認定
三田労働基準監督署(東京都)は、2013年7月に倒れ心室細動で亡くなった会社員について過労の労災認定という判断を下した。
亡くなった会社員の方は裁量労働制で働いており、労働時間が重要な判断材料になる過労の労災認定で、労働時間が不明確な裁量労働制の勤労者が過労死と認定された。
これは異例のケースとなっている。
http://mainichi.jp/select/news/20150512k0000m040130000c.html
残業時間
残業時間を遺族が調査したところ、発症前1カ月の残業を133時間、発症前2~6カ月の平均残業時間は108時間。
これを根拠に三田労働基準監督署へ労災申請し、労災認定された。
安全配慮義務の解釈拡大?
今回のケースでは、「裁量労働制でも労災認定」という判例となった。
このフレーズだけに着目すると、安全配慮義務の解釈拡大になるのか?と感じるかもしれないが、三田労働基準監督署は、「本人の裁量の度合いがほとんどなかった」という遺族側の訴えを汲んでの判断となっている。
従って、正確には「業務の実態を見た上で、裁量労働制でも労災認定となる」という前例と受け取るべきである。
裁量労働制でも産業医による過重労働面談
当然そうなると、今回では残業時間が100時間を超えていることから、産業医面談が必要だったはずである。
従って、「業務の実態を見た上で、裁量労働制でも産業医面談が必要」として産業保健の現場では運用スキームを構築するべきだと言える。