
夕食を「20時まで」は非現実的?!
ダイエットの基本といえば、
- 夜20時までに夕食を終える
- 体をなるべく動かす
- 間食をしない
というのが、王道中の王道でしょう。
もちろんこの王道、誰もが一度は耳にしたことがあるものの、現実を見てみると、20時より前に退社なんてしたことがないという人も多いのでは。
厚生労働省「平成18年国民健康・栄養調査報告」によると、20歳代の女性の20%以上、男性の30%以上が21時以降に夕食を摂っています。
さらに、30歳代では、女性の10%、同男性の35%以上が21時以降に夕食を摂っています。
「メタボ」という言葉が使われ始める40歳になる前の段階で、すでに3人に1人が深夜に食事を摂っている状態ということなのです。
30代になって代謝も落ち、さらに深夜の食事で体重も増え、40歳になってメタボ健診を受ける時にはすでに「しっかりメタボ」が完成されていることもしばしばあります。
なぜ22時以降の食事は太りやすい?
22時から深夜2時の間には、BMAL1(ビーマルワン)と呼ばれるタンパク質が働きます。
そして、このタンパク質が体内で働くと、急激に脂肪を溜めこみやすくなることがわかっています。
逆に、15時のおやつの時間は、BMAL1の働きが弱く、その差は約30倍とされています。
また、肥満傾向にある人は、昼間でもBMAL1の活性が高いんです。
つまり、この体内のタンパク質の作用にしたがうと、「20時までには食事を終えましょう!」というダイエットの王道にたどり着くのです。
22時以降に夕食を食べる人は、間食に工夫を!
メタボで深夜に夕食を摂る人への指導法には、王道があります。
それは、「夕方に間食を摂りましょう」。
間食といっても、お菓子ではありません。
おにぎりやサンドイッチ、プレーンなパンなど、主食に代わるものです。
そして、帰宅してからの食事では、出来れば炭水化物を抜きます。
どうしても無理な人は、炭水化物を減らすか、消化の良いうどんやそば、雑炊などに置きかえることをおすすめします。
昼食を買う時に、ついでにおにぎり1個を買っておき、夕方デスクや休憩所でお腹に入れるようにするのが得策です。
空腹で、深夜にドカ食いをするのを防ぐこともできます。
間食すら難しい!そんな場合は?
上記のような保健指導をしても、「デスクで食事を摂るような環境ではない」「忙しくて無理」など、職種や職場によっては夕方の間食を摂ることすら難しい場合があります。
そんな場合の深夜食はどうしたらよいのでしょうか?
正解は、「具だくさんの雑炊、うどん、そば」。
昼食から何も食べられない場合、帰宅したら一刻も早く夕食を摂る必要があります。
そのためには、作るのが簡単な1ボウル式の料理がおススメ。
さらに、食事から寝るまであまり時間がないため、消化が良い主食を選ぶことも大切です。
注意したいのは、昼食以降一切の「炭水化物抜き」を実践しようとすること。
昼食から何も食べずに、主食だけでお腹を満たそうとすると、結果的におかずの食べ過ぎになりがちです。
また、空腹で眠れなかったり、満たされない気持ちになることもあるでしょう。
このような無理なダイエットは、続きません!
コンビニで買うとしたら、温かい蕎麦やうどん(かき揚げは除く)に、できたらサラダや煮物を付けてください。
帰宅したら、明日の準備や家事は後回しにして、まず夕食を最優先で摂りましょう。
手軽に、無理せず続けるのが大切
20時以降に食事を摂らないようにするのが理想的ですが、毎日仕事で疲れて帰宅して、夕食まで我慢のし通しでは、精神的に参ってしまいます。
かといって、健康をないがしろにするような食生活もいいわけがありません。
まずは夕食のメニューを週に2、3回変えてみて、体重の変化を体感してみるなど、無理なく続けられるダイエットを継続することが重要です。