認知行動療法 認知の歪み⑨~⑩

⑨レッテル貼り

自分や他人に柔軟性のないイメージを創り上げて、そのイメージを固定してしまう思考パターン。
レッテル貼りは「一般化のしすぎ」が極端な形で現れたもの。
この背景には「人の価値はその人の犯す間違いによって決まる」という考え方。

例>「赤点と取ってしまった。私は「人間失格」だ」

人の価値はその人の犯す間違いによって決まるという思考の存在が考えられる。

自分に貼るレッテルは、自己破壊的で憂鬱感を招き、
一方他者に貼るレッテルは、反発や敵意を煽りたて争いや対立に繋がる。
どちらも無意味で不必要なものだ。

感情に巻き込まれて冷静な判断をすることができなくなっていないだろうか。
うつ病などの心の病に悩む人は、自分自身にマイナス評価のレッテルを貼り、
更なる抑うつ感や無気力に陥ることが多い。

このように本当はそうではない事でもレッテルを貼ることにより、信じ込み、
実際レッテル通りになってしまうということもあるので気をつけたいものだ。

レッテル貼りの根底として、「自己像」の存在がある。

現在自己否定が非常に強い場合には、その自己像自体が適切なものかを
改めて考えてみることも良いだろう。

⑩自己関連付け

物事の責任や原因の所在が、責任のない自分にあると考えたり、
必要以上に自分に責任があると考える思考パターン。「個人化」ともいわれる。
責任転嫁はこれの逆パターンにあたる。

例>□□という問題が起きたのは、私の不注意が原因だったんじゃないか。

自己関連付けは、自分の行動や価値観・発言などが何らかの影響を及ぼすことが
できるはずだという無根拠な信念により成り立っている。

しかし、他人に100%の影響を及ぼすことは不可能だ。
1人の人間が、周囲に起こる偶然の悪い出来事全てに責任を負うことはできない。

また「全部、わたしが悪い」と言いながら、肝心な原因には無頓着だったりする。
謝るところで留まってしまい、その先がなかったりするのだ。

あまりに自己関連付けが強い傾向にある人は、良くないことが起こった場合、
それを自分の責任だと考えるより、どうすれば問題解決できるかを考えるほうが
健全で大切なことだと考えよう。

自分を責めることばかりに一生懸命で力を使い果たしてしまうと、
変わろうとすることに使う余力がなくなってしまう。

それだけではなく、自己関連付けの思考パターンを繰り返すと、
罪の意識を感じることが多くなり、その結果自己評価が低下してしまう。

人はみなキャパシティがある。
人の荷物を背負う前に一度考えてみよう。本当にそれは自分の荷物かどうかを・・・

思考の影響力

6回に渡り、認知の歪みのパターンを紹介させていただいた。
自分に当てはまる!と、落ち込んでしまってはいないだろうか。

初めにも書いたように、10のパターンは落ち込ませるためのものでもなく、
自分の思考を知るための道具である。

認知の歪みを持つと、「すぐ」とか「全部」にこだわってしまうが、
そのこだわりを捨てることこそが認知の歪みの修正の第一歩である。

否定的な思考や罪悪感な思考、どれもそのもの自体が悪いものではない。
ただ、必要以上に感じることもないものだ。

認知の歪みに気づき適度な思考の状態に戻しておくと、ダメージを受けたとしても
自然と人は回復できる。

認知の歪みのパターンを知っていると、自分の思考がそうなった時に気づくことができ、
かつ自分の調子が今良くないというバロメータにすることができる。
そうすることで、それ以上は無理をしないよう自分で自分を労わることができるようになるのだ。

歪んだ認知が自分の思考として固定化してしまわないようにしよう。

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。 マザー・テレサ

物事を変えるスタート地点は思考だ。

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