
⑦感情的決め付け
自分の感情が現実をリアルに反映して事実を証明する根拠であるかのように
考えてしまう思考パターン。
自分の気分や感情によって物事を全て判断してしまう認知の歪みである。
例>・「不安を感じている。だから失敗するに違いない」
・「これをやり遂げる自信がない。だからきっとやり遂げられないに違いない」
こういった感情的決め付けが他者に向かうと「あの人の言動は不愉快だ。あの人が人として
できていない証拠だ」といった思考になる。
感情的決め付けは、小さい子供や女性に多く、また感性や感覚を大切にする人が陥りやすい
思考パターンである。
人間関係が希薄な人も感情的決めつけに陥りやすい。
その時に感じる感情が証拠であるかのように、現実を判断していないだろうか。
感情的決め付けは主観的判断である。
感情と現実は必ずしも一致しない、という事を忘れてしまっていないだろうか。
感情は自分の中にある真実だが、あくまで自分の中での事である。
相手の感情を自分の感情で判断しないようにしよう。
感情的決め付けは、自分の不安や興奮が暴走してしまった結果起こる。
自分の感情に支配されてしまわないよう、一度立ち止まって考える癖をつけよう。
⑧すべき思考
自分で考えた基準が当然であるとする思考パターン。
「~すべき」「~でなくてはならない」というようなフレーズが特徴。
例>・「親は尊敬すべきである」
・「大人ならきちんとすべきである」
「常識的に考えて」や「まともな人間なら皆~だ」といった言い方もこの変形。
その基準に合わせようとして、どんどん自分自身を追い詰めていないか。
価値基準の違う他人に対して、自分の基準を根拠にイライラしたり怒りを感じていないだろうか。
物事への意欲や気力は、基本的に追い詰められた心理状態では低下する性質を持っている。
すべき思考で自分を追い詰める程、何事もうまくできないという悪循環にはまりやすい。
「すべき思考」を他人に向けると、他人の価値基準とは大抵合わないため、
相手に対して必要以上にイライラや怒りを感じることになる。
「すべき思考」は自己ルールであることを認識しよう。
すべき思考は人として、社会として必要だ。
しかし、いつもその思考に囚われ律するのでは、心や身体が休まらない。
そして自分だけではなく相手もしんどくなる思考である。
思考自体が悪くなくても、良い結果は生まれない。
すべき思考は、本来感じなくてもよい自己嫌悪や抑うつ、他人に対する過剰な失望や怒りを招く
ことを知っておいてほしい。
こり固まっている自分の考えをほぐしてやろう。