
特定化学物質とは、労働者に健康障害を発生させる可能性が高い物質として、労働安全衛生法施行令で定められた化学物質です。
この物質を扱う業務に従事している労働者は、6ヶ月に1回、特定化学物質健康診断を受けることや、作業環境に関して管理をする必要等があります。
今回、労働安全衛生法により掲げられた薬物に新たな物が加えられようとする動きがあるのです。
化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会
労働基準局が実施している検討会に「化学物質による労働者の健康障害防止措置に係る検討会」というものがあります。
この検討会は、国が行っている、職場における化学物質の取扱いによる健康障害の防止を図るためのリスク評価をもとに、労働者へのリスクが高いと認められた化学物質に関し、ばく露防止措置等の健康障害防止措置について検討することが目的です。
そして今回、平成26年度の報告が2月6日に出され、新たにナフタレンとセラミックファイバーについて特定化学物質と同様の措置が必要であるとされました。
今後の具体的な方針
■ナフタレン
作業環境測定の実施や発散抑制措置等が必要です。
また、ナフタレンの有害性を勘案し、作業の記録保存(30年間)等が必要となる特別管理物質と同様の措置を講じなくてはなりません。
■(リフラクトリー)セラミックファイバー
作業環境測定の実施や発散抑制措置等が必要です。
セラミックファイバーを用いた設備等の施工・補修・解体等作業においては、作業の特性を勘案し、呼吸用保護具の着用の義務付けなどを規則化しなくてはなりません。
◆特別管理物質
第1類物質と第2類物質のうち、がん原性物質またはその疑いのある物質については特別管理物質として、名称、注意事項などの掲示や、空気中濃度の測定結果と作業や健康診断記録を30年間保存する義務がああります。
関係法令の改正
厚生労働者は今回の報告を受け、関係法令の改正を予定しています。
今後、上記2つの化学物質に関しては、特定化学物質健康診断の義務や、名称・注意事項の掲示が求められるでしょう。
前回、特定化学物質関連の施行令や規則が改正された際は、公布から施行の期間が3ヶ月足らずだったこともあるため、関係企業は今後の動向に注目し、速やかな対応が出来るよう準備が必要です。