石綿問題に対する最近の動き

石綿(アスベスト)問題

2004年10月頃、日本で大きな問題となった石綿(アスベスト)問題だが、厚生労働省ではこれに対して昨年の暮れに2014年度の報告を行った。
(厚生労働省:http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000068919.html

その具体的な内容として、厚生労働省は2013年に石綿ばく露作業による労災認定などを受けた労働者が所属していた労働事業場、
延べ957労働事業場を昨年12月17日に公表・報告を行った。
(※2012年度の公表・報告では841事業場、2005年7月の第1回公表以来、今回の平成25年度分で、9,561労働事業場を公表したこととなった。)

また、それに合わせて24日には、公表された労働事業場のうち743事業場に対して既に離職した労働者やその家族に向けて、
労災補償制度や特別遺族給付金制度、石綿健康管理手帳制度について周知を依頼する文章を送付した。

目的

今回行った、石綿ばく露作業による労災認定等事業場の公表は、
(1)公表事業場で過去に就労をしていた労働者の方々に対して、石綿ばく露作業に従事していた可能性があることの注意を喚起する。
(2)公表事業場の周辺住民の方々が、自身の健康状態を改めて確認する契機とする。
(3)関係省庁、地方公共団体などが石綿健康被害対策に取り組む際の情報を提供する。
これらが大きな目的とされている。

石綿が引き起こす恐怖

「悪魔の鉱物」「静かな時限爆弾」と呼ばれている石綿だが、
石綿が引き起こす健康障害には、悪性中皮腫(主に胸膜・腹膜・心膜)、
肺ガン、石綿肺、胸膜肥厚斑、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚の五種類が存在している。

共通した大きな特徴としては、石綿を吸い込んでから、数十年の潜伏期(発病するまでの期間)があるということである。
吸入してから20~40年の潜伏期間には、 自覚症状も全くない人が多く、検査をしても何の所見も無い場合が多くみられるのだ。

今回の報告は、石綿ばく露作業に従事した労働者及びその遺族に対して周知を行うことで、
1人でも多くの対象者に情報が行き渡るようにという意味も含まれているのだと思う。

これから…

疾患の潜伏期間と年間輸入量が30万トンを上回っていた時代(1970年~1990年)を考慮すると、
被害は今後増加することが予測され、そのピークは2030年~2034年の4年間とも言われている。

厚生労働省ではこの事実に目を背けないよう、
今後もこのように「整いつつある労災補償と石綿健康被害救済法に基づく特別遺族給付金」の『周知と広報』に努めていくようだ。
まだ、「労災補償と石綿健康被害救済法に基づく特別遺族給付金」に対して、世間の認知が浅いことは事実である。
弊社としては、この情報の『周知と広報』の橋渡しとなれるよう今後もこの場を使い、皆様にご紹介を続けていきたいと思う。

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田野優人株式会社ドクタートラスト 産業カウンセラー

投稿者プロフィール

日本の働き方、メンタルヘルスのあり方に不信感を抱き、大学では社会学を専攻。卒業後、健康経営のコンサルタントの道を進むべくドクタートラストへ入社。今まで延べ500社以上の企業へ訪問し、産業保健体制の実態を目の当たりにしてきました。また、産業カウンセラーとしても日々、悩みを抱える方々との面談を行っています。
【保有資格】産業カウンセラー
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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