
乾燥と風邪の関係
この季節気になるのが乾燥。冬場は全国的に乾燥するが、特に太平洋側は降水量も少なくなり乾燥する。さらに冬場は暖房を使用して室温を上げるため湿度が低くなりやすいのだ。オフィスや家庭でも冬場の乾燥対策に頭を悩ませているところも多いだろう。
寒くなり空気が乾燥してくると流行するのが風邪やインフルエンザ。風邪の原因となるウイルスはたくさんあるが、その大部分は「低温乾燥」の環境で感染力が増す。空気が乾燥していると、咳やくしゃみから飛散したウイルスが長時間空気中に浮遊することになるのだ。一方湿度の高い環境では空気中に浮遊する時間が短くなり、早く地面に落ちて感染力が小さくなる。
加湿対策
オフィスや家庭でも全ての室内に加湿器が設置できればいいのだが、なかなかそうはいかないのが現状だろう。加湿器を設置できる環境にあれば加湿器を使用してコントロールするのが良いが、ない場合は以下のことを試してみてほしい。
・水で濡らしたタオルを干す
・観葉植物を置く
・水の入ったコップをデスクに置く
・暖房の設定温度を上げすぎない
劇的な加湿力はないもののオススメなのが観葉植物だ。観葉植物を置くと日々水やりをするため常に湿ったものが室内に存在することになる。土から直接水分が蒸発するし、葉の表面からも蒸発する。筆者もリビングに2つ鉢植えを置いているのだが、天気の良い日が続くと、この寒さの中でも驚くほど土が乾燥している。加湿効果はゆっくりながらも電気代がかからないエコな加湿器となってくれる。
また、暖房のかけすぎにも注意が必要だ。温度を上げることで相対的に湿度が下がるため、温度を上げすぎないように気をつけたい。
加湿しすぎには注意!
風邪の予防、肌のためにと加湿するあまり、湿度が上がりすぎてはいないだろうか?湿度が一定以上になると、冬場であってもカビやダニの発生につながることがある。カビは湿度60%程度から発生しやすくなり、湿度が75%前後まで上昇するとダニの活動が活発になる。特に家庭では暖房器具を用いて部屋の温度を暖かく保つため、冬場であってもカビやダニが繁殖しやすい環境となるのだ。カラッと晴れた日は良いが、曇りや雨の日は普段よりも湿度が高くなるため、加湿のしすぎにも注意が必要である。これらをふまえて人間が快適に感じ、かつ風邪の予防ができる「湿度50%」を目安に乾燥対策に取り入れていただきたい。