
最近産業医の口からこの言葉をよく耳にする。
企業がメンタル不調者を抱えている場合、特にこれに気を付けなければいけない。
過重労働者に対しての安全配慮義務とメンタル不調者に対する安全配慮義務はまったく同じではない。
企業の安全配慮義務
安全配慮義務とは、使用者は、労働者の生命・身体が業務上の危険から守られるよう配慮しなければならないという義務。
※信義則上認められた義務であり、使用者はこの義務を怠って労働者に損害が発生したときには、労働者に対し損害賠償しなければならない。
① 過重労働者に対して
過重労働が原因で社員が過労死や自殺してしまった場合、安全配慮義務違反として、会社は労働契約債務不履行となり損害賠償責任を負うことになる。
② メンタル不調者に対して
メンタルヘルス対策も会社側の安全配慮義務に含まれる。
通常通り勤務できない状態で働かせてしまっていたり、面談を受けさせず休職や復職の判定が正しく行えていないと労働者の病状が悪化した場合の責任を問われてしまう。
たとえば出社はできたがずっと眠っていたり業務が行えないという状態でそのまま勤務させていることも安全配慮義務違反に該当してしまう。
どう対応するか?
・ 面談の実施
毎月の時間外・休日労働時間が100時間を越えた場合、また2~6ヶ月の平均で月80時間を越えている社員に対し産業医と面談をさせ、面談記録を5年間保存する。
またメンタル不調者に関しても定期的に面談を実施し、休職や復職時には産業医の意見を聞いて対応が必要である。
もしもっと働きたい、面談を受けたくないと言う社員がいたとしてもそれを受け入れてしまっていてはいけないのである。
業務ができないのに出社している、体調が悪いのに帰らせないなど、何かあった場合その責任はもちろん放置していた会社にかかる。
会社側が労働者の状態を把握し適切な対応を取っていかなければならない。