
2014年11月1日に滋賀県労働局は、県内のトラック運送事業者のうち67・4%で労働基準関係の違反があったことが調査結果から分かったと報告を行った。
労働局はすでに改善を指示し、推移を見守る方針とのことである。
労働局の担当者は「特に長時間労働の問題が目立った」とまとめ「運送を依頼する荷主から厳しい発注条件があることが背景にある」と指摘した上で、荷主の関係団体などにも改善を要請した。
具体的な数値から見てみると、対象の43事業所中、29事業所で法令違反がありそのうち28事業所は改善が必要な違反であった。
1日の拘束時間が限度とされる原則13時間(最大16時間、15時間超は週2日まで)を超えている違反が22事業所、1日の休息時間が継続8時間に満たない違反が21事業所、1カ月間の拘束時間が293時間の限度を超えている違反が18事業所であった。
担当者は「トラック運転手は事業場外勤務で管理が行き届きにくいので、継続的に調査、監督する」としている。
また、調査期間は春と秋の交通安全運動などを合わせて、今年4~6月と9月であった。
そもそも、労働局(労働基準監督署)とは?
労働基準法違反について取り締まる行政機関のこと。
具体的には、従業員に対して賃金や残業代をきちんと払っているか、労働時間や休憩・休日は適法かなどを監視している。
(労基法に規定のない事項、例えば解雇の妥当性の判断は一切行わない。)
また、労働基準法は労働行政の手続き等を定めているのと同時に刑罰も定められているのだ。
サービス残業や給与一律カット、36協定(時間外休日労働協定)を超える長時間労働なんて大したことじゃないように感じるかもしれませんが、労働基準法に違反するということは犯罪行為が既遂で成立しているということになってしまう。
つまり、労基法違反は「刑事告訴」がありうるのである。
労働局に目を付けられやすい会社とは?
労基署の調査には大きく分けて2つ存在する。
対象となる企業を任意に選んで調査する「定期監督」と、労働者の通報を受けて調査する「申告監督」である。
「定期監督」についてはランダム調査といわれていますが、ある程度の基準に則って調査対象を決めているそうだ。
そのある程度の基準が以下の通りである。
・就業規則や36協定などを労基署に届け出ていない。
・特別条項付き36協定(限度基準を超える長時間の残業を合意する特別な協定)を届け出ている。
・過去数年のうちにに労基署から是正勧告を受けている。
※もちろん上記に当てはまらない場合でも調査の対象となる可能性は考えられるので、あくまでも参考程度にしていただきたい。
まとめ
今年7月には静岡労働局で大規模的な建設現場重点監督の実施(県内184の建設現場を監督)が行われたりと、最近は全国的にも労働局の動きはとても活発になってきている。
これからも全国の労働局で大きな動きがあった際は、このサイトを通して随時皆様にご紹介をさせて頂きたいと思う。