
「キャリアップ助成金」という制度があるのをご存知だろうか。
これは政府が、非正規社員の正規雇用化を支援するための制度である。
趣旨
近年、若年層を中心に増えている非正規社員は、正規社員にくらべ賃金が低い。
能力開発の機会が少ないなどの問題点が指摘されている。
そこで政府は、雇用の安定や公正な処遇を促進するため、労働契約法の改正を行った。
平成24年6月に、雇用戦略対話で決定した「若年雇用戦略」では、非正規から正規社員への引き上げや、人材育成、処遇の改善など、キャリアアップに取り組む企業への支援を行うことなどが記された。
このような状況を踏まえ、政府は平成24年10月26日に閣議決定された、
「緊急人材育成・就職支援金」を活用し、非正規社員への人材育成への支援を実施し、さらに平成25年度に非正規社員のキャリアアップを育成するため、「キャリアアップ助成金」の制度が創設されたのである。
キャリアアップ助成金の助成条件
① キャリアアップ管理者を置くこと
② キャリアアップ計画を作成
※ただし、キャリアアップ計画は・正規雇用、無期労働契約への転換支援、
人材育成、処遇改善、健康管理、時短正社員への移行・新規雇入れ、時短労働者の希望に基づいた社会保険適用のための所定労働時間の延長のいずれかが盛り込まれていること。
以上に当てはまれば一定の助成が支給されるのである。
具体例として「正規雇用等転換コース」では以下の3つを満たせば支給申請が可能になる。
① 非正規社員として6ヶ月以上雇用
② 正社員に転換
③ 正社員に転換して6ヶ月以上雇用
また、平成28年3月31日までに受給した場合、1人当たりの支給額は最高50万円となる。
このように、事業主は非正規社員でも労働関係法や社会保険関係法令の適用があることを認識し、遵守しなければならない。
詳しくは厚生省のページにあるので、ぜひ一度確認してほしい。