産業医を活用しよう。ケース①産業医の訪問時間が余ってしまう
- 2014/10/28
- 産業医

産業医選任の義務が生じ、先生にお越しいただく事になったけれども、
「先生にどんな業務をお願いすればよいのか」「うまく活用する方法はないか」
とお悩みの企業担当者の方も多いのではないだろうか。
筆者自身が実際にお会いした産業医の先生のお話や、各企業での対応方法などをもとに、
参考となる情報を提供していきたいと思う。
※「産業医を活用しよう」シリーズとして連載予定
ケース① 産業医の先生の訪問時間が余ってしまう
多くの企業から相談をいただくのが、このケース。
衛生委員会への出席や、職場巡視といった、法的な義務が生じる業務以外で
産業医を活用できていない。
「せっかく先生にお越し頂いているのに…」というお悩みをよく耳にする。
特に、過重労働面談者やメンタル不調者の少ない事業場から、こういった声が上がることが多い。
対策
このような場合、私からおすすめさせて頂いているのは、「従業員との全員面談の実施」という方法だ。
残業の多い人、体調の悪い人に限らず、産業医の先生との面談を実施してもらう。
規模的に全員となると実施が難しいという企業では、部署毎、グループ毎という括りでの対応でも構わない。
この面談を行うことでのメリットとしては
(1) 早期発見、予防につながる
まずはこの点。本人も気づいていないような不調のサインを
専門家である産業医からの視点で、見つけ出せる可能性がある。
(2) 産業医の存在が認識される
産業医の先生がどんな人なのか。一度顔を合わせることで、その確認がとれ、
従業員の方に何か悩みが生じた際に、相談に行きやすくなるという効果がある。
実際に実施したところ、面談以降、従業員の方からの産業医面談希望が増えたという企業もあった。
また、会社としての衛生管理への取り組みも周知され、会社全体で衛生管理に関する認識が向上したという報告もあった。
産業医の訪問時間に相談窓口を設けているが、面談希望者が集まらない…というお悩みをお持ちなら
是非一度、会社側から面談実施のアプローチをとってみてはいかがだろうか。