自宅でのメールチェックで病気に?

増える「メール依存症」

スマートフォンやタブレットの普及や、クラウドシステムの充実化によって、
カフェにいても自宅にいても、仕事のメールや文書をチェックできる時代になった。

それに伴い、「会社外」「業務時間外」に仕事をしてしまう(もしくは、せざるを得ない)人が増えてきている。

米国Neverfail社の調査データになるが、95%もの人が勤務時間外にメールをチェックしているというデータが出ている。
そのうち、94%が夜間にメールをチェックし、93%が週末にも電子メールにアクセスしているという。

恐らく、日本でもこれに近い状況になっていることが予想される。

自宅でのメールチェックで心疾患、不安が引き起こされる

57000人を対象にしたドイツの研究では、自宅でメールチェックをしている人が半数に及ぶことを明らかにしている。
そして、これらの人々は、不眠症、頭痛、疲労、不安、胃腸障害などの症状を訴える率が高く、
心疾患や筋肉の異常も、時間外のメールチェックと関連していることがわかった。

これは、仕事を離れても心身が完全に休息することがなく、常にストレスを抱えていることが原因と推察される。
慢性的なストレスや緊張状態は、身体だけでなく、うつ病などの精神疾患の大きなリスク因子だ。
放置しておくことで、大事な戦力を失う可能性もある大きな問題である。

ドイツ・フランスでは「社外メールチェック禁止」法も

このような研究結果を受けて、ドイツやフランスでは、会社外でのメールチェックを禁止する動きも出てきている。

ドイツの自動車メーカー、ダイムラーでは、社員が休暇中の場合、自動的に電子メールを削除するソフトウェアを社員10万人のPCにインストールしている。
フランスでは、ソフトウェア・デジタル部門の職種に限って、勤務時間外でのメールチェックを禁止する事項が労働規約に盛り込まれたそうだ。

メールによる健康被害から自分を守るために

日本では、まだフランスやドイツのような法・企業主体の動きは見られないが、
もともと諸外国に比べて労働時間が長い上に、退社後や休日にメールを見ている人はかなりの数に上るであろう。

目に見えないストレスが自分を蝕んでしまう前に、退社後や休日は極力社用メールをチェックしないと決める必要がある。
どうしても毎日メールをチェックする必要がある場合は、起床後と夕方1回ずつなど、タイミングを決めてしまうと良いだろう。

社内でも、休日に送ったメールに対応を迫るような組織風土を変えていく必要がある。
まずは上司から部下へ、
・休日や退社後は極力仕事のメールを送らない
・休日や退社後に部下からきたメールには、対応は出社後で良い旨を伝える
などの対応を徹底することが大切である。

メールチェックの回数を減らすことで、返信のプライオリティを判断する習慣が身に付き、業務時間中の仕事の効率化にも繋がる。
最初は不安に感じるかもしれないが、心身の健康を守り、ストレスをきちんと解消することで、業務時間におけるパフォーマンスを上げていくことが出来るのではないだろうか。

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中村 眞弓株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

企業での健康相談や産業保健の経験を生かし、「じっくり聴く・しっかり考える」保健師を目指しています。社員の皆様・人事の皆様と一緒になって企業の健康を支えていけるよう頑張ります。
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