煙草1本で削る「命の時間」

煙草1本で削る「命の時間」とは?

「煙草は健康に悪い」
…そうわかってはいても、なかなか難しいのが禁煙です。
保健師として健康相談を受けていても「煙草をやめると、ほかにストレス解消法がない」「ただでさえ忙しいのに、これ以上ストレスを抱えることは無理」「何度か禁煙にチャレンジしているけれど、ダメだった」といった声を聴く機会もたびたびあります。
そんな愛煙家の方にお伝えしたいのが、煙草1本が削る「命の時間」です。
煙草を1本吸うたびに、どれくらい寿命が縮まるかをご存知でしょうか。

1本で14分寿命が短くなる

煙草1本で、短くなる寿命。
正解は1本につき「14分」です。
どうでしょうか?
たった14分と捉えるか、意外と長いと捉えるかは人それぞれだと思います。
煙草1本で14分ということは、1日に1箱煙草を吸う人ならば1日に5時間弱の寿命を削っているということになりますね。

非喫煙者の命も1.4分縮める

喫煙者が縮める寿命は、喫煙者本人のものだけではありません。
その健康への害が知られてきている受動喫煙(非喫煙者が煙草の煙を吸うこと)ですが、非喫煙者の寿命も、煙草1本で1.4分ほど削られる計算になることがわかっています。
これは、煙草の健康に対する害が、喫煙者の10分の1という計算で出された数値です。
たかが1分と思うなかれ。
1日1箱吸う人と、週に5日仕事をすると1年で112時間。
つまり、1年喫煙者と仕事をすると、1年につき4.6日間の寿命が勝手に削られてしまうということになるのです。

年代・職種・職場環境によって違う喫煙率

最新たばこ統計では、平成26年度の調査結果を発表しています。
これによると、現在の日本人の喫煙率は30.3%。
特に40代の男性の喫煙率が38.5%と高いことがわかります。
また、健康への害が男性よりも大きいとされる女性でも、同様に40代が14.8%とピークです。
20代の男性は29.4%、女性が⑩%と、40代と比較すると低い喫煙率です。
また、業種別にみると、旅客の運輸業、娯楽業、飲食・宿泊業、建設業での喫煙率が高い数値を出しています
職場に喫煙環境があると、喫煙率は高い傾向にあり、職場の喫煙環境は喫煙率と大きく関わっていると言えるでしょう。

(参考:「jhonson & jhonson社 受動喫煙防止及び屋内禁煙に関する屋内労働者8,000人の全国意識調査結果」より)

禁煙への効果的なアプローチとは

まず個人の禁煙へのアプローチとしては、医師主導の薬剤による禁煙が最も高い効果が期待できます。
一般的な治療期間は8~12週間で、費用は13,000円~20,000円程度だ。
約3ヶ月と期間が定められていることで、治療を受ける側も、集中して禁煙に取り組めます。
また、企業側のアプローチとしては、先に述べたように、職場自体の禁煙環境を整えることが重要でしょう。
喫煙場所が遠くなったから禁煙しました……という人も案外多いです。
大企業は禁煙・分煙が進んでいるものの、中小企業はまだまだ環境が整っていないことがしばしばあります。
喫煙率が高い業種や、中小企業は、産業保健スタッフと企業のトップ、人事とが協力し、より積極的な施策を試みることが必要でしょう。

個人・企業の双方が禁煙に向かって取り組むことで、より効果的な禁煙対策が進んでいきます。

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中村 眞弓株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

企業での健康相談や産業保健の経験を生かし、「じっくり聴く・しっかり考える」保健師を目指しています。社員の皆様・人事の皆様と一緒になって企業の健康を支えていけるよう頑張ります。
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