
デスクワークが原因の腰痛
デスクワークに従事する人が増えている今、長時間座っていることにより腰に負担がかかり、腰痛に悩む人の数も増えています。
長時間、椅子に座っていると、どうしても背中を丸める前傾姿勢になりやすく、加えて運動不足による筋力低下が、さらなる負荷を腰にかけてしまうのです。
なかなか治りにくい腰痛を改善するのに、眠っている時間の有効活用はいかがでしょうか。
腰痛に効果的な眠り方~うつぶせ寝~
腰痛に効果的な眠り方があるのはご存知ですか。
それは、「うつぶせ寝」、すなわちお腹を下にして眠る方法。
元気な高齢者の代表格ともいえる、医師の日野原重明氏も、うつぶせ寝を習慣化していることで知られています。
仰向けで寝ると、背骨や背中全体へ体重がかかり続けますが、うつぶせで寝ると、背中への負荷が和らぎ、腰痛改善に好ましい影響があるのです。
腰痛だけではない、うつぶせ寝の効能とは
実は、うつぶせ寝が健康に及ぼすよい影響は、腰痛の緩和だけではありません。
「大きないびき」「熟睡感がない」「眠っても疲れが取れない」などの症状が特徴的な、睡眠時無呼吸症にも、うつぶせ寝は効果的なのです。
睡眠時無呼吸症は、肥満や顎の形、歯並びなどが原因で、舌が気道へ沈み込むことで、睡眠中に一定時間呼吸が止まってしまう病気。
働き盛りの男性に多い病気だが、閉経後の女性も注意が必要です!
仰向けに寝ると舌が気道に沈み込みやすくなるが、うつぶせで眠ることで、気道が確保され、症状が和らぎます。
さらに、胃腸が適度に圧迫されることで胃腸症状が改善されたり、酸素を多く取り込めるため疲労回復にも効果が期待できます。
腰痛と並んでオフィスワーカーを悩ませる肩凝りにも効果的といいばかりです。
正しいうつぶせ寝の方法~シムス位~
うつぶせ寝は、ただうつぶせに寝ればよいというものではありません。
体を楽に保つ工夫が必要になってきます。
まず、枕は不要、もしくは薄いタオル程度にしましょう。
そして、顔を向けた方向の手足を前に出し、90度程度に曲げます。
「シムス位」と呼ばれる体位で、妊婦にも勧められる、楽な体位です。
うつぶせで腰に負担を感じたり、眠りにくい人は、抱き枕を胸~お腹の下に入れる「半シムス位」がおすすめです。
こちらにもうつぶせ寝と同様の効果があります。
シムス位の正しい形は、下図を参考にしてください。
日本人には仰向けに寝る人が多く、欧米人にはうつぶせで寝る人が多いとされています。
欧米には「肩こり」という概念はないことから、睡眠時の体勢が肩こりに影響を及ぼしているのでは?ともいわれています。
当たり前のように仰向けで寝ていた腰痛・肩こり・いびき持ちの人は、うつぶせ寝「シムス位」や「半シムス位」を試してみてはいかがでしょうか。