
飲食店での労働災害は、平成25年度で4,416件であった。
この件数は全産業での労働災害件数の4%に当たる。
この数字だけを見てみると極めて少ないように感じるが実は、全産業の労働災害は減少傾向にあるのにも関わらず、飲食店の労働災害件数は増加傾向にあるのだ。
飲食店での労働災害(休業4日以上)の種類を多い順に並べると以下のようになる。
①「転倒(つまずき、すべり)」 28%
②「切れ・こすれ」 26%
③「高温・低温の物との接触」 15%
④「動作の反動・無理な動作(腰痛など)」 6%
⑤「墜落・転落」 6%
飲食店での「転倒・転落災害防止」などに効果のある日常の活動として幅広く浸透しているものでは、「4S活動(整理・整頓・清掃・清潔)」というものがある。
厚生労働省では、それに加え平成26年9月22日に『飲食店における危険の「見える化」ツール』というものを発表した。
見える化ツールとは?
職場に潜む危険などは、視覚的に捉えられないものが多い。
それらを可視化(見える化)できれば、より効果的な安全活動を行うことができる。
また、「見える化」は、危険認識や作業上の注意喚起を分かりやすく認知させることができ、一般の労働者も参加しやすいなど、安全確保のための簡単で有効的なツールである。
見える化ツール「危険ステッカーの配布」
危険個所等に貼り付ける「危険箇所」と「危険内容」を警告する「危険ステッカー」を厚生労働省(以下URL)が配布を開始。
(http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/131213-01e.pdf)
①危険個所の再確認と危険への対処検討
…再度、職場内にて危険だと思われる個所や作業について安全衛生委員会の場などで話し合い行い、どのように危険に対処をするべきか話し合う。
②危険ステッカーのコメント作成
…実際の危険ステッカーに、危険の内容、注意事項、安全のための事項などを記入する。
③危険ステッカーの掲示
…実際の現場責任者と共に、危険な個所へステッカーを掲示する。
掲示が困難な個所の場合は、従業員の目が集まりやすい休憩室などに掲示することも有効な手段である。
④その他の有効な使い方
…危険な個所などを告知するだけではなく、安全衛生委員会等で話し合った内容をこの危険ステッカーに書き込み、事務室等従業員の目の届きやすい場所に掲示するという利用方法が良いのではないか。