対策できるデング熱

連日、メディアを騒がせているデング熱。
様々な情報や対策が報道されているが、そもそもいったいどんな病気なのか。

■デング熱とは、どのような病気か?

蚊に吸血されることで、蚊の体内で増殖していたウィルスに感染する蚊媒介性の病気である。
デングウイルスによる急性の熱性感染症で、主な症状としては発熱、頭痛、筋肉痛や皮膚の発疹などがあげられる。
人から人に直接感染するような病気ではなく、該当の蚊に刺されても感染しても発症しないケースも多くみられるため、蚊に刺されたからと言って、必ず大騒ぎをする必要はない。

デング熱はもともとは熱帯や亜熱帯の全域で流行していた。東南アジア、南アジア、中南米で患者の報告が多く、その他、アフリカ、オーストラリア、南太平洋の島でも発生が確認されており、今までの中で、最も日本に近い流行地は台湾である。日本国内で感染した症例は、過去60年以上報告されていなかった。

現在デング熱の感染が確認されて話題となっている代々木公園では、国際的なイベントも数多く行われている。
おそらく、海外の感染者が複数の蚊に刺され、デングウィルスが蚊の体内で増殖してしまったのだろう。その蚊が公園に来た他の人を刺すことにより、感染が広がったと推測されている。

■感染を媒介する蚊とはどんな蚊?

主たる媒介蚊はネッタイシマカといわれており、この蚊は日本には常在していない。
しかし、その他にも日本のほとんどの地域でみられ、私たちが思い浮かべる縞のある蚊、あのヒトスジシマカもデングウィルスを媒介することができる。
ヒトスジシマカの幼虫は、ベランダにある植木鉢の受け皿や空き缶・ペットボトルに溜まった水、放置されたブルーシートや古タイヤに溜まった水など、われわれの身近なところによく発生する。
人がよく刺されるのは、墓地、竹林の周辺、茂みのある公園や庭の木陰など。代々木公園は、まさにそういった条件が当てはまり、蚊の繁殖しやすい環境が整っていたため、もともと蚊が多く生息しており、今回のような事態が発生した。

■デングウィルスに感染したら?

デング熱は、体内からウイルスが消失すると症状もおさまり、予後は比較的良好な感染症である。しかし、希に患者の一部に出血症状を発症することがあり、その場合は適切な治療がなされないと、致死性の病気となってしまう。

デング熱に感染すると突然の高熱を発症する。頭痛、眼痛、顔面紅潮、結膜充血を伴い、発熱は2~7日間持続するといわれている。
初期症状に続き、全身の筋肉痛、骨関節痛、全身倦怠感等が発生し、発症後3~4日後、胸部、体幹から始まる発疹が四肢、顔面に広がる。
こういった症状は1週間程度で回復する。

しかし、現在デングウイルスに対する特有の薬はなく、対症療法しか行うことができない。
血液中にウイルスが確認される期間は、発症日の前日から発症5日後までとされている。まずデングウィルスが推測される症状を発症したら、すぐに病院で診察を受けるほうがよいだろう。

人から人には感染しないとはいえ、もし感染してしまったら、蚊に刺されないように注意が必要である。
蚊に刺されることで、そこから2人目の感染者、3人目の感染者と、どんどん被害が拡大していくこととなってしまう。

 ■予防はどのようにすればよいか?

(1)海外の流行地にでかける際は、蚊に刺されないように注意をする。
(2)蚊の多く発生する藪や山道等へは長袖、長ズボンを着用。
(3)虫除けスプレー等、蚊の忌避剤を利用し蚊を避ける。

結論としては、とにかく蚊に刺されないことがポイントとなる。
蚊に刺されることで感染する病気は多く、ほかにも日本脳炎やマラリア等、日本国内外、多くの恐ろしい感染症が存在する。こういった感染症は、一度流行が始まると、蚊の体内で増殖したウィルスは、卵に引き継がれ、冬を超え来年も発生することも予想される。
刺されるとかゆいだけでは済まなくなってしまうデング熱。感染には十分注意が必要である。

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大沼 泉株式会社ドクタートラスト ストレスチェック研究所

投稿者プロフィール

結婚・出産・育児といったライフイベントを乗り越えながら女性がいきいきと働くには、どんな職場環境が望ましいのか。ブラック企業から転職し、産休育休を経た経験をもとに、産業カウンセラー、そして働くママ社員の立場からさまざまな情報をお伝えしてまいります。
【保有資格】産業カウンセラー
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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