ストレスチェック義務化法案

法案の概要

厚生労働省は、ストレスチェックの義務化を法制化する、労働安全衛生法を一部改正する法律案(通称:ストレスチェック義務化法案)を2014年度の通常国会に提出することが見込れています。
本法案は、2011年12月に一度、国会に提出されていたものの、政治が大きく動いていた時期でもあり、廃案となりました。
しかし近年、メンタルヘルス対策は急務の課題となっていることを受け、厚生労働省は、法案を再度提出することとしたのです。

ストレスチェック義務化法案のポイント

ストレスチェック義務化法案のポイントとしては、以下の通りです。

1.労働者に対し、ストレスの状況を把握するため、複数のチェック項目の検査を実施
2.検査を行った産業医または保健師から当該検査の結果の通知
3.面接指導の結果に基づき、産業医の意見を聴き、必要に応じ、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮等の措置

厚生労働省からの要請に基づき独立行政法人労働安全衛生総合研究所では、労働者のストレスに関する症状・不調を適切かつ簡便に確認するための標準的な項目が示されています。
ただし、厚生労働省が示した内容は標準的な内容であり、各事業場で独自のチェック項目を作成しても構わないという見解が出ています。
今回取り上げられているストレスチェックの目的は、メンタル不調の個人を特定するためではなく、ストレス状況を企業が把握し、必要な対策や職場の環境改善に活かすことです。
そのため、検査結果は実施した産業医等から労働者に通知され、労働者の同意なしに検査結果を事業者に提供してはいけません。
メンタルヘルス対策に取り組む企業は、増加傾向にあり、平成24年度の労働者健康状況調査では、47.2%と前年度より3.6ポイントの上昇をみせています。
しかし、昨年度の目標値は60%で、この数値は大きく下回っていることがわかるでしょう。

企業における懸念事項

大企業では積極的な取り組みが見受けられるものの、中小企業では、まだまだメンタルヘルス対策が難しいのが現状。
今後ストレスチェックが義務化された場合、産業医との面談が必要となる場合があります。
しかし、50名未満の事業所では、産業医の選任義務がないので、十分な対応が実施できないおそれが懸念されています。
また、中小企業にとってはコストの負担が厳しいことや、メンタル不調者を特定するために使われ、個人の不利益になるのではないかなど、今回の法案では、懸念事項も多く挙げられており、今後も検討が必要です。
ストレスチェックを義務化することにより、メンタルヘルス対策について、企業、ひいては社会全体の意識が向上する可能性が高いが、運用次第では形骸化してしまうおそれもあります。
今年度に法案が可決され、円滑にことが進めば、2015年度中にはストレスチェックが義務づけられる見込みです。
実際に義務化された際に慌てないために、企業全体で早めの対応を心がけておくことが必要でしょう。

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