
テクノストレスとは、コンピュータを扱うことが原因で起きる精神的な失調症状の総称で、コンピュータに適応できないために生じるテクノ不安症と、過剰に適応したために生じるテクノ依存症の2種類があります。
テクノ不安症
コンピュータの普及により、ほとんどの仕事で事務処理や、社内連絡などがコンピューター化され、ワープロでの文書作成が必須となり、これまで、コンピュータとは無縁だった人が、コンピューターに向かう機会が圧倒的に増えました。
テクノ不安症とは、コンピュータを使わなければならなくなったとき、コンピュータは難しい、怖い、という意識に追いつめられてしまうというもので、コンピューターを避けるようになり、過度のストレスによって、いらいらしたり、強い絶望感を抱いたりすることです。
中高年のサラリーマンが、コンピューターに対応できず苦戦する話も聞きます。
なかには、社内のコンピューター化に対応できず、退職する社員もいるようです。
一方、若手社員のもコンピューターに対応できない人がいます。
彼らは、インターネットへのアクセスやSNSといった、情報収集・発信能力には優れていても、経理システムや統計作業、資料作成などには苦手を持ってしまうのです。
テクノ不安に対する対処法
・ コンピュータ自体に対する不安
まずはパソコンを使って自分の好きなこと(芸能人、スポーツ、趣味)を調べるなど、楽しいことと並行してやることで、苦手意識がなくなります。
・ 仕事に必要なスキルに対する不安
参考となる本を読んでやってみる、得意な人や経験者に教えてもらうなど、積極的に学習していきましょう。
テクノ依存症
テクノ依存症は、コンピュータに没頭しすぎることで現れる失調症状で、コンピュータがないと不安に感じたり、人とのコミュニケーションに障害が出ることです。
ゲームやインターネットに依存する人が多く、ゲームやインターネット内の社会と、現実との住み分けができなくなり、実社会の生活に支障をきたしたり、正常な対人関係を結べなくなったりする問題が社会化しています。
テクノ依存による問題例(職場内の場合)
- メールでは、業務上の問題を相談したり、自分の意見を述べることが出来るのに、口頭ではうまく説明することができない
- 急を要する業務連絡までメールで伝えてしまうため、迅速な対応ができなくなる
- 深夜までゲームやインターネットに熱中し、仕事中に居眠りをしたり、集中力がなくなったりする
- 自分の世界があり、邪魔されるのが我慢できなくなるため、他の仕事を振られるとキレる
- インターネットなどで知識を得るため、周囲の人を見下した対応が多くなる
テクノ依存症の予防法
インターネットの世界での交流だけでなく、周囲の人間との直接のコミュニケーションを大切にし、思いやりや優しさを持ちましょう。
ときにはメールより電話を
コンピュータは便利なものですが、自分は「何をするために」デジタル環境とつきあっているのかを確認する必要があります。
コンピューターを使うことで、仕事の効率を上げる可能性は秘めていますが、一方で、人の感情や状況を判断することはできません。
自分の考え方をしっかり持ち、電話を1本かけたほうが効率的な時は、メールではなく電話をかけるなど、メールやインターネットに固執しないようにしましょう。