作業環境測定について
- 2014/7/8
- 労働環境

有害な業務を行う屋内作業場等については、作業環境測定基準に従って「作業環境測定」を実施し、
その結果を記録しなければならない。また、測定結果の評価に基づいて労働者の健康を保持するために
必要があると認められるときは、施設または設備の設置または整備、健康診断の実施等の適切な措置を講じなければならない。
作業環境測定を行うには
作業環境測定を正確に行うためには、測定しようとする物質の性状や実施されている作業の方法、分析方法などについて高度の知識および技術が必要とされるため、作業環境測定の必要な作業場のうち、『粉じん』、『放射性物質取扱い作業室』、『特定化学物質等』、『鉛』、『有機溶剤』の指定作業場にあっては、自社の作業環境測定士(作業環境測定士試験に合格し、厚生労働大臣の登録を受けた者)に測定を実施させるか、作業環境測定機関(厚生労働大臣または都道府県労働局長の登録を受けた機関)に測定を委託しなければならない。
作業環境測定結果の評価
作業環境測定結果を適正に評価するために「作業環境評価基準」が定められています。この基準に基づき、
作業環境の状態を第一管理区分、第二管理区分、第三管理区分に区分して評価を行わなければならない。
なお、各「管理区分」は次のような状態をさす。
・第1管理区分:単位作業場のほとんどの場所で、有害物質濃度が管理濃度(作業環境管理の良否を
判断するため、測定対象ごとに定められた濃度値をいう(作業環境評価基準の別表)
を超えない状態。
・第2管理区分:単位作業場所内の有害物質濃度の平均が管理濃度を超えない状態。
・第3管理区分:単位作業場所内の有害物質濃度の平均が管理濃度を超える状態。
作業環境測定結果の評価に基づき、次の措置を講じなければならない。
・イ 第三管理区分に区分された場所については、直ちに設備、作業方法などの点検を行い、その結
果に基づき、作業環境を改善するために必要な措置を講じ、当該場所の管理区分が第一管理区
分または第二管理区分となるようにしなければならない。
必要な措置を講じたときは、その効果を確認するため、有害物質の濃度について測定・評価を
行わなければならない。
また、第三管理区分に区分された場所については、労働者に有効な呼吸用保護具を使用させる
ほか、健康診断の実施その他、労働者の健康を図るために必要な措置を講じなければならない。
・ロ 第二管理区分に区分された場所については、設備、作業方法等の点検を行い、その結果に基づ
き設備等の設置、作業方法等の改善その他作業環境を改善するために必要な措置を講ずるよう
努めなければならない。
・ハ 第一管理区分に区分された場所については、作業環境管理が適切であると判断されるため同区
分理の継続に努める。
作業環境測定の記録
作業環境測定を行った場合は、(1)測定日時、(2)測定方法、(3)測定箇所、(4)測定条件、(5)測定結果、
(6)測定者名、(7)結果に基づく改善等概要を記録しておかなければいけない。(安衛法第65条第1項)
また、作業環境測定結果の評価を行ったときは、(1)評価日時、(2)評価箇所、(3)評価結果、(4)評価者名
を記録しておく必要がある。(安衛法第65条の第2項第3項)
作業環境測定を行わなければならない事業場において働く労働者に対しては、定期健康診断とは別に
特殊健康診断を受ける必要がある。作業環境の改善や、労働者の安全・健康に関しては、産業医と連携し
安全・健康配慮を継続的に行っていかなければいけないことを念頭に置いていただきたい。
・参考サイト 厚生労働省:職場の安全サイト(作業環境測定)