
夏のレジャーで増える眼の病気
学校も夏休みに入り、家族や友人と夏のレジャーを楽しむ人も増える時期になった。
夏のレジャーと言えば、海やプールであろう。
そんなレジャーが原因で、コンタクトレンズ使用者に眼の病気が増えるのはご存知だろうか?
コンタクトレンズ使用者が海やプールに入る場合、最も推奨されるのが「度付きゴーグルの着用」である。
しかし、日頃スイミングをしている人なら度付きゴーグルを購入することもあるだろうが、夏のレジャーのために購入する方は稀ではないかと思う。
コンタクトレンズをして海やプールに入ると、レンズの形状が変化しやすく、目に傷がつく可能性が高くなる。特にソフトコンタクトレンズは、涙の中で最適な状態を保つようにできているため、海水にさらされると固くなってしまうのだ。
失明の可能性もある「アカントアメーバ角膜炎」とは
また、レンズの変化よりも注意しなければいけないのが、「アカントアメーバ角膜炎」だ。
アカントアメーバとは、微生物の一種で、汚れた水の中や海水、時には水道水にも生息する。このアカントアメーバが眼の角膜に出来た小さな傷から侵入して、角膜に炎症が起きるのが「アカントアメーバ角膜炎」である。アカントアメーバ角膜炎の症状・治療法は以下のようになっている。最悪の場合失明も引き起こす、恐ろしい感染症である。
・症状
初期は目やに、充血、流涙など軽症だが、症状が進むにつれ、ひどい充血や激しい痛み、角膜の白濁(にごり)などが加わり、視力低下や最悪の場合失明してしまうこともある。
・治療法
現在、アカントアメーバ角膜炎の治療に有効な薬剤は無く、抗菌薬を併用しながら、感染した角膜を削る処置を何回か繰り返す必要がある。
海やプールだけでなく、忘れがちなのが温泉である。温泉のお湯(水)の中にもアカントアメーバが生息する可能性がある。また、浴場でレンズを落としてしまうと、転倒などの可能性も増すので注意が必要である。
レジャーの際は、必ず1日使い捨てタイプのレンズを
では、実際にコンタクトレンズ使用者がレジャーに行く際は、どのような注意をすればいいのか?
最も安全な方法は、1日で使い捨てるタイプのコンタクトレンズを作り、持参することである。海やプールで泳いだり、温泉に入った後は、必ずレンズを捨てて新しいレンズを着用するようにする。
そうすることで、目に傷がつくことを防ぎ、アカントアメーバなどの感染からも、目を守ることが出来る。
夏のレジャーが本格化する前に、是非眼科で使い捨てのコンタクトレンズを作っておくことをお勧めしたい。