ワーク・ライフ・バランス

WLB

働く人々は、8時間フルタイムの場合、多くの人が1日(24時間)の3分の1の時間働いていることになる。
勤務時間を1日8時間+α(通勤時間)と考えると、仕事以外の時間は16時間弱。
この16時間弱の中には、食事、入浴、睡眠等の日常生活活動の他、ゆっくり過ごしたり、趣味のための時間はもちろんのこと、家庭を持つ人であれば、家事・育児のための時間も含まれる。
この時間を多いと感じるか、少ないと感じるか。

1日の時間

個人面談、特に「過重労働面談」の面談対象者としてお会いする方は、時間外労働がゼロではない方ばかりである。
つまり、先に書いた仕事以外の時間は、16時間より少ない。
例えば、時間外労働が月に20時間だとすると、単純計算で1日1時間、月に40時間だとすると、1日2時間、仕事以外の時間が減ることになる。

仕事以外の時間の中で、どの時間にその影響がいくのかを尋ねてみると、「睡眠」「友人との時間等、自分の時間」と答える方が多い。

睡眠時間が減ると、その分の休息時間が減り、もちろん健康を犠牲にしてしまうことになる。
その時間が大きくなればなるほど、睡眠不足になり、過重労働の健康への影響でもある、脳・心臓疾患の発症のリスクも高まる。
また、別の視点で見ると、例えばパワハラが日常茶飯事の職場で働いている、またはクレーム・トラブル対応の業務等、精神的ストレスの多い職場であれば、心の健康への負担が増大するだろう。

自分の時間が減ること。
このような状況の場合、「職場と家の往復で終わってしまう」「仕事関係以外の人と交流がない」「楽しみがない」という言葉を話す人が多いと感じる。
この言葉を聞くと、保健師としての立場と私も自分の人生を持った一人の立場として、「自分ならどうするだろう?」と振り返るきっかけになることがある。

ワーク・ライフ・バランス

最近では、「好きなことを仕事にできている」「やりがいを感じている」と、健康や自分の時間を自ら減らして働くことよりも、仕事と仕事以外の諸活動がバランスが取れた状態(ワーク・ライフ・バランス)を重視する人々、またこれに取り組む企業も増えてきている。

仕事以外の時間を充実させ、仕事の時間はしっかり生産的に取り組み、メリハリをつけることが期待されている。

また、就職活動中の学生の理想の企業像は、「残業が多くないこと」という。
そして、その学生たちの理想の自分の働く姿として、「仕事もプライベートも楽しむこと」という。

 

「昔は・・・」と違和感を感じる方もいるかもしれないが、様々な文化が入ってきている現在の日本、育ってきた環境、家族構成、触れてきたものも多種多様になり、人々の価値観も変わってきているのかとも感じる。

子育てや介護と仕事を両立させながら働く人も増えているし、家庭を持たない人にも、その人の生活があるのであり、様々なバックグラウンドを持つ時代でもある。

 

1日を単位とした時、3分の1の時間をどう過ごす、どう過ごせるかということも、働く人の健康に大きく関係していると考えられる。
難しいことではあるけれど、人々が、仕事も自分の時間も大切に過ごせることで、健康な人々、健康な企業が増えていくといいな、と思わずにはいられない。

企業があらゆる方法で、長時間対策を練ることも大切だが、一人ひとりの意識も、メリハリと、仕事と仕事以外のバランスについて意識をしてみても良いのではないだろうか?

西岡 まゆみ

西岡 まゆみ株式会社ドクタートラスト 産業保健部 保健師

投稿者プロフィール

自分も働く労働者の一人として、皆様の立場に立った視点を持つことも忘れずに情報発信していければと思っています。

この著者の最新の記事

関連記事

衛生管理者の必携知識

  1. sasimi

    オフィスの防災対策、合言葉は「あえてさしみ」!

  2. 6jikan

    北欧で流行りの「1日6時間労働」! 日本で実現する?

  3. 地球儀

    世界の労働時間ランキング、日本は何位?

  4. 溝口2

    社会保険加入条件緩和で、産業医選任義務の事業場は拡大するか?

  5. 610

    デスクワークに殺されないために私たちがすべきこと

一目置かれる健康知識

  1. jiritu
  2. stylish bedroom interior design with black patterned pillows on bed and decorative table lamp.
  3. 疲れ目のサイン
  4. manindensya
  5. ドライアイ
  6. AdobeStock_50156371
  7. nyuugann
ページ上部へ戻る