健診ではわからない「職場高血圧」とは
- 2014/7/8
- 健康管理

「職場高血圧」とは?
健康相談をしていると、仕事中(特に忙しかったり緊張したりすると)頭痛や動悸・吐き気・肩こり・めまいなどの症状が起きる・・・という方にお目にかかることがしばしばあります。そのような社員さんには、可能性の1つとして、「職場高血圧」かもしれません・・・とお話しすることがあります。
「職場高血圧」とは、健康診断の際は血圧が正常値だった方が、仕事中の血圧は健診時の数値よりも高い高血圧になっていることを言います。その数値の差は、普段の血圧プラス40~50mmHgという方もらっしゃるほど。
つまり、普段は120/90mmHgという血圧であっても、知らず知らずのうちに最高血圧が170近くなっているということになります。
職場高血圧の実態
「健診では特に血圧は高くなかったのに?」とおっしゃる方も多いのですが、この『健診では血圧は高くなかったけれど、職場で症状がある』ということこそ、職場高血圧の1つの特徴です。
職場では、強いストレスを感じながら仕事をする方が増えています。
それに対して、健診受診日は仕事から解放されるため、職場よりもずっとリラックスした状態で血圧を測定している方がほとんどです。
結果的に、職場で過ごすよりも低い血圧が記録されます。
高血圧治療に詳しい医師によれば、とある民間企業の調査結果では、職員の2割程度がこの職場高血圧であったとのこと。
職場高血圧になりやすい人とは
以下に当てはまる方は、職場高血圧になっている可能性が高いと言えます。
1)年齢が48歳以上
2)肥満
3)高血圧の家系である
これら3つの要件を満たしている場合、職場高血圧である可能性はかなり高いと言われているため、症状には十分注意が必要です。
予防法・対処法
もっとも大切なのは、普段の自分の血圧をきちんと把握することです。1日のうちで1番血圧が高いのは、朝起きた時です。
家庭で使用できる血圧計(上腕式が最も正確)を用意し、起床後トイレに行ってから、1~2分安静に座ってから測ると良いでしょう。
家庭用血圧計は、安いものでは2,000~3,000円程度から購入することが出来ます。
高血圧家系の方は、遅かれ早かれ必要になる可能性が高いので、健診後の面談でも購入をお勧めしています。
血圧を自己測定した結果、高血圧(135/85mmHg以上)であった場合は、かかりつけ医か会社・ご自宅近くの内科にご相談されると良いでしょう。
Copyright © 産業保健新聞|毎日健康で元気に働くための情報誌 All rights reserved.