糖質制限、やり過ぎは危険?~炭水化物は総カロリーの半分摂るのが最も健康的~

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糖質制限、やり過ぎは危険?~炭水化物は総カロリーの半分摂るのが最も健康的~

私たちは炭水化物、たんぱく質、脂質の3栄養素からエネルギー(カロリー)を摂取しています。
最近は「糖質制限」など炭水化物量を減らしたダイエットが流行していますが、糖質を含む炭水化物を減らしすぎても取りすぎても死亡リスクが高まるということがアメリカの研究により判明しました。

低炭水化物ダイエットは余命に影響が出る

医学誌「ランセットパブリックヘルス」に2018年9月に発表された研究結果によると「食事で摂るエネルギー量の50~55%を炭水化物から摂るのがもっとも健康的」であることが明らかになっています。

炭水化物 = 糖質 + 食物繊維

食物繊維にはカロリーはほぼありませんので、炭水化物に含まれる糖質からカロリーを摂取していることになります。
日本人の1日の平均エネルギー摂取量は約1,900kcal(2017年時点、男女1歳以上7,000人の平均値)。
このうちの半分、つまり950kcalは炭水化物から摂るのが健康に過ごすにあたってベストということです。
ちなみに950kcalはごはん普通盛3.8杯分にあたります。
研究は、米国4つの地域の45~64歳の1万5,428人を対象とした地域の住民に25年かけ、追跡調査を行いました。
調査の開始時と6年後に、食事調査で炭水化物の摂取状況を評価し、死亡率との関連を調査したところ、炭水化物摂取と平均余命の間にU字型の関連性があることが明らかになりました。
炭水化物を適度(50~55%)に摂取している人の50歳時点の余命は33年で、低炭水化物の人よりも4年長く、高炭水化物の人よりも1年長かったのです。
研究チームは次のステップとして、北米、欧州、アジア諸国の43万2,179人のデータを含む8つの追跡研究の解析にも取り組みました。
ここでも同じ傾向が示され、食事の炭水化物の割合が高過ぎたり低過ぎたりしている人は、適度に摂取している人にくらべ寿命が短くなったという結果が出ました。

死亡リスクへの影響を減らし、炭水化物ダイエットをするポイントは2つ

① 炭水化物を減らした分は植物性食品で置き換える

20ヵ国以上を対象に炭水化物の摂取について解析したところ、炭水化物の摂り方は一律ではなく、さまざまやスタイルが混在していることがわかりました。
低炭水化物ダイエットのなかでも、炭水化物の代わりにいわゆる動物性由来の食品(牛肉、羊肉、豚肉、チーズなど)からタンパク質や脂肪を多く摂る食事スタイルは、死亡率の上昇と関連していました。
それに対し、野菜、大豆、マメ類、ナッツなどの植物性由来の食品からタンパク質と脂肪を摂取する食事スタイルは、死亡率の低下につながることも示されています。
このことから、少し炭水化物を減らしつつ、肉類、乳製品などではなく豆類や野菜を多めにとることが安全かつダイエットを成功させる秘訣の1つといえます。

② 炭水化物を摂る時間帯は朝が多め、夜少なめにする

1日で炭水化物を摂る量が同じでも、肥満治療の事例によると1日に1,400kcalとる場合、「朝が多め(朝食700kcal、昼食500kcal、夕食200kcal)」と「夜が多め(朝食200kcal、昼食500kcal夕食700kcal)」を比較すると、圧倒的に前者のほうがダイエット効果が出たという結果があります。
総カロリーの50%程度の炭水化物をとるにも、朝食:夕食=3:1の比率にすることでダイエット成功につながります。

ダイエットも健康的に

「炭水化物はバランス良く、適度に摂取することが大切です」と、研究者は指摘しています。
低炭水化物ダイエットを行う場合は、上記2点のポイントを意識すること、極端な減らし方はしないことが健康的にダイエットにおいて重要です。

<参考文献>
「Moderate carbohydrate intake may be best for health, study suggests」(2018年8月)
「Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis」(2018年8月)
国立健康・栄養研究所「健康日本21(第二次)分析評価事業エネルギー摂取量」
古谷彰子著、柴田重信監修『時間栄養学が明らかにした「食べ方」の法則』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

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羽鳥彩花

羽鳥彩花株式会社ドクタートラスト 管理栄養士

投稿者プロフィール

大学で栄養学を学んでいる中で、働く人々に栄養の知識を広めたい!と感じ、産業保健業界に飛び込みました。忙しくても簡単に栄養素を摂れるテクニックや、健康につながる食事法をお伝えしてまいります。特定保健指導では、皆様の生活スタイルに寄り添った提案ができるよう心がけています。
【保有資格】管理栄養士、人間ドック健診情報管理指導士
【ドクタートラストの特定保健指導サービス詳細はこちら】
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