ToDoリストでは足りない ~就業時間の賢いデザイン法

仕事をする上で欠かせないスケジュール管理。
さまざまなスケジュール管理法がありますが、スケジュール管理ではずせない2点について、今回は取り上げてみます。

「仕事が遅い」の2つの意味

日々仕事をしていると、次からへと仕事がふってきます。
その仕事をToDoリストにして、来た順に必死で取り組んでいく……そんな働き方してませんか?
そんなふうに遮二無二はたらいたとしても、成果を出すのは困難です。
自分では頑張っているのに、他人からは「仕事が遅い」と言われる。
それで悩んでいる方も少なくないでしょう。
そう言われたから、とにかく手を動かすという頑張り方をする前に、一度スケジュール管理の方法を見直すことをお勧めします。
そもそも「仕事が遅い」といっても、それには2通りの意味があります。

① 仕事をするスピードが遅いこと
② 仕事の期限を超えてしまうこと

「仕事が遅い」というのは、あくまで相対的評価です。
仕事内容は、同じ組織内でも千差万別であり、各人の仕事のスピードを比較するのは困難です。
つまり、②のように、「仕事が遅い」と言われているケースの大半は、依頼した側の意図するタイミング(期限)に仕事が終わっていないということなのです。
〆切が迫るほどパフォーマンスが上がるということも一つの真実ではありますが、次から次へと仕事が発生する一般的な職場では、そのような追い込み型による能力発揮は求められないでしょう。
もし発揮できなかった時は、単に他の人の迷惑になってしまうからです。
自分一人で完結できる仕事は限られています。
そうである以上、自分ではベストを尽くした!と思っていても、それが相手の物差し(タイミング)とズレていると、残念ながら、「仕事が遅い」という印象を植え付けてしまいます。
スケジュール管理する場合、相手から依頼を受けた以上、自分の仕事のスピードを把握した上で、期限を意識してスケジューリングすることが大切です。

「重要な仕事」をいつやるか

もうひとつ外せないのは、「エネルギー管理」という視点です。
人の集中力・注意力が続く時間は限られています。
重要な仕事に取り組むには、取り組むべき時間があるのです。
脳のパフォーマンスが最高潮に達するのは、起床後3~4時間後とされています。
睡眠中に様々な知識や記憶の整理が終わり、一番頭がクリアになっているこの時間帯は、何かを決定したり、プレゼンテーションや企画発案の資料作成等、頭を使う仕事に最適です。

スケジュール管理を行う時に、ToDoリストを元に、この時間帯に「重要」な仕事を割り当てることができるかどうかは、仕事の効率を左右します。
そのためにも、自分の仕事は何か?を定義づけし、数ある仕事の中で何が「重要」な仕事かをラベリングする必要があります。
「緊急」ばかりに気を取られて、「重要」な仕事がおろそかになってしまっている状態は珍しいことではありません。
限られたエネルギーを何に注ぐか、仕事のゴールデンタイムにどの仕事をするか、どのようにその時間を確保するか……を考えてみてはいかがでしょうか。
誰もが平等に与えられた時間。特に就業時間は限られており、長く働けば働くほど評価されていた時代は終わろうとしています。
目の前の仕事に振り回されず、一呼吸おいて、就業時間という自分の時間をうまくデザインできるようになれば、ストレスも一つ減るかもしれませんね。

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山口紗英株式会社ドクタートラスト 精神保健福祉士

投稿者プロフィール

メンタルクリニックでのカウンセリング従事の後、「働く人」を理解すべく一般企業にて勤務。その後ドクタートラストに入社。
自然成長は望めない時代だからこそ、「個」と「組織」の両面に、健康という手段をもってアプローチすること大切だと思っています。知識ではなく、明日から職場で使える「スキル」を発信し、働くことが楽しいと思える社会の構築を各現場から作っていけたらと思います。
【保有資格】精神保健福祉、産業カウンセラー、第二種衛生管理者、健康経営アドバイザー
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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