合理的配慮に役立つ!障がい者雇用には「就労パスポート」を活用しよう

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障がい者雇用をしている企業のなかには「どこまで配慮すればいいの?」とお悩みのところも多いと聞きます。
配慮はしたいけど、本人の希望をすべて受け入れて振り回されてしまうことも少なくはありません。
厚生労働省では「精神障害者等の就労パスポート作成に関する検討会」を2018年に設置し、「就労パスポート」導入に向けて検討がおこなわれていました。
2019年11月15日、就労パスポートが公表されましたので、今回は「就労パスポート」の概要と活用方法を紹介します。

就労パスポートとは?

就労パスポートとは、障がい者本人が、以下の点などを支援機関と一緒に整理し、職場や支援機関と円滑に情報を共有することにより、自分に合った支援を活用して職場定着を図るものです。

・ 働く上での自分の特徴やアピールポイント
・ 事業主に配慮を希望すること

ざっくりと表現してしまうと「情報共有シート」のようなものですね。
就労パスポートの質問項目について考えることで「働く上でどんなことを共有すればよいか」を整理できます。

就労パスポートの構成内容

就労パスポートに記載できる内容は、以下のとおりです。

・ 職務経験
・ 仕事上のアピールポイント
・ 体調管理と希望する働き方
└ ストレス・疲労/通院のための休暇/服薬管理のための配慮/希望する働き方(1日の勤務時間、休憩の取り方など)
・ コミュニケーション面
└ 相手とのやりとり/相手の気持ちや考えの読みとり(推察)
・ 作業遂行面
├ 指示内容/理解しやすい方法/指示・報告の相手
├ 2つ以上の指示への優先順位づけ/作業途中での予定変更への対応
├ 作業の正確さ/作業ペース
├ 安定した作業の実施/作業にともなう確認・質問・報告/他者との共同作業
└ 結果のふり返り、目標設定
・ 就職後の自己チェック(上記のうち、就職後に変化したと感じる項目を記入)
・ 支援機関(本人が利用している支援機関名、支援内容)

これらの内容は、障がい者自身が自己理解を深めることが望まれ、かつ企業にも必要な支援について理解することが望まれる項目が設定されています。
また、記入者や見る人が違っても、可能な限り同じ状況をイメージできるように、具体的な指標を設定されています。
なお、就労パスポートの作成、活用、管理、共有の範囲などは、障がい者本人の意向によりますので、その点はご注意ください。

就労パスポートは「合理的配慮」に役立つ!

障がい者雇用にあたっては、「障害者の雇用の促進等に関する法律」により、合理的配慮(障がい者が働くにあたり支障となるものを、改善するための措置をとること)が義務づけられていますね。
本人にとって支障となっているものを確認する際にも、この就労パスポートを用いれば、ポイントを絞って本人と話し合うことが可能です。
募集・採用時だけではなく、採用後にも活用できるフォーマットになっています。
また、会社として活用する際のガイドラインもあります。
どのような合理的配慮が必要か……とお悩みの企業さまは、ぜひご活用してみましょう。

<参考資料>
・ 厚生労働省「就労パスポート」
・ 厚生労働省「就労パスポート(様式)」
・ 厚生労働省「事業主向け活用ガイドライン」

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植村理央

植村理央株式会社ドクタートラスト 産業保健師

投稿者プロフィール

以前は検診機関で検診補助や、普及啓発活動、精検未受診者にしつこく勧奨するなどしていました。働く世代がほとんどにも関わらず、職域の状況は把握できないことにもどかしさを感じ、産業保健分野に興味をもちはじめました。
今はストレスチェックのお仕事を中心としており、特に集団分析や統計データ整備などを行っています。昨年から、どの企業様も57問版ストレスチェックから、80問版ストレスチェックに移行しています。最近は、この80問版ストレスチェックのデータを使って、研究発表すべく頑張っています。
【保有資格】看護師、保健師、第一種衛生管理者、人間ドック健診情報管理指導士
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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