看護休暇・介護休暇が1時間単位で取得可能に~2021年度以降の見通し~

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2019年10月28日、厚生労働省の労働政策審議会雇用環境・均等分科会において看護休暇、介護休暇の1時間単位での取得を可能とする改正方針が提出され、了承されました。

看護休暇、介護休暇とは

看護休暇「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(以下、育児・介護休業法といいます)の16条の2に定めが置かれています。

育児・介護休業法16条の2(子の看護休暇の申出)
1 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、その事業主に申し出ることにより、1の年度において5労働日(その養育する小学校就学の始期に達するまでの子が2人以上の場合にあっては、10労働日)を限度として、負傷し、若しくは疾病にかかった当該子の世話又は疾病の予防を図るために必要なものとして厚生労働省令で定める当該子の世話を行うための休暇(以下「子の看護休暇」という。)を取得することができる。
2 子の看護休暇は、1日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるもの以外の者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める1日未満の単位で取得することができる。

また、看護休暇は同じく育児・介護休業法の16条の3に定めが置かれています。

育児・介護休業法16条の5(介護休暇の申出)
1 要介護状態にある対象家族の介護その他の厚生労働省令で定める世話を行う労働者は、その事業主に申し出ることにより、1の年度において5労働日(要介護状態にある対象家族が2人以上の場合にあっては、10労働日)を限度として、当該世話を行うための休暇(以下「介護休暇」という。)を取得することができる。
2 介護休暇は、1日の所定労働時間が短い労働者として厚生労働省令で定めるもの以外の者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働省令で定める1日未満の単位で取得することができる。

以下ではまず、両制度を具体的に見ていきます。

看護休暇

看護休暇は、小学校就学前の子どもを養育する労働者に与えられる権利で、年に5日まで取得することができます(子供が2人以上いる場合は、年に10日まで)。
子どもがけがをしたときや病気にかかったとき、あるいはインフルエンザの予防接種、健康診断受診の際などに使うことができます。
また、看護休暇を取得した際の賃金支払いについては、特に定めがおかれていません。
そのため、労使間で取り決めをする必要があります。
労働者の性別を問わず、また契約社員やパート社員であっても取得できます(日々雇用者除く)。
一方で、以下の労働者については、労使協定を結ぶことで、看護休暇の対象から外すことができます。

① 雇用期間が6ヶ月未満の人
② 1週間あたりの労働日数が2日未満の人

介護休暇

介護休暇も、制度のしくみは看護休暇とほぼ同じです。
ただし、看護休暇の場合は、休暇が取得できる負傷や疾病の種類や程度に特段の制限はない一方で、介護休暇は「要介護状態にある家族の介護や世話」というように「要介護」が前提となっている点が異なります。

現状の看護休暇・介護休暇

2019年現在の看護休暇・育児休暇は1日単位、または半日単位で取得できるとされています。
ただ、労使協定で「1時間」での取得を定めている場合は、その限りではありません。

1時間単位での取得が2021年3月以降可能となる見通し

現状、労使間の協定がない限りは、1日または半日単位での取得しかできない看護休暇・介護休暇を1時間単位で取得できるよう改正する理由はいくつかあります。
まず、現在は、半日単位での看護休暇。介護休暇が取得できない所定労働時間4時間以下の労働者(1日単位は取得可能)も、取得対象から除外しない狙いがあります。
また、予防接種などのために看護休暇を取得する場合、実際には半日もかからないことも多々あります。
そのような場面で柔軟に対応できるようにすることも理由の一つです。
さらに従来は看護休暇や介護休暇を取得しづらかった労働者にも門戸を広げ、ひいては介護のために離職する「介護離職」などを0にすること目指しています。
看護休暇・介護休暇の取得がより柔軟になるのは、昨今の「働き方改革」とも整合性が取れていると考えられます。
なお、このように制度を大きく変更することで、事業者側がシステム改修などの負担を求められることが考えられます。
そのため、実際に制度が動き始めるのは2021年3月以降の見通しです。

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八巻那美

八巻那美株式会社ドクタートラスト 広報

投稿者プロフィール

大学卒業後、ビジネス書の出版社に勤務し、営業、雑誌編集に携わってきました。これまでとジャンルは違えども、情報を「届ける」という使命はまったく同じ!産業保健や健康経営などに関する最新動向をいち早く、そしてわかりやすく取り上げてまいります。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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