今日からできる!血圧コントロールの第一歩

※この記事は2021年1月22日一部情報を更新しています

日本人の3人に1人は高血圧

日本人には高血圧の方が多く、令和元年国民健康・栄養調査報告によると40歳以上の男性のおよそ62%、女性のおよそ47%が高血圧であるとされています。特に年齢に比例して増え、70代以上になると約70%が高血圧を発症するいわれています。
(参照:令和元年国民健康・栄養調査報告より)
働く世代の方にも高血圧と診断されてはいないけれど、健康診断を受けるたびに「要注意」と言われてしまう方も多いのではないでしょうか?

血圧はなぜ上がる?

そもそも血圧とは、心臓から送り出された血液が血管を押す力のことです。
血圧を決める要因には以下が挙げられます。

①心臓から送り出される血液の量 
②血管の弾力性
③血管の抵抗性 
④食塩摂取量 

たとえば、口に水を含んだ状態でストローをくわえたところを想像してみてください。
口の中の水をストローから吐き出すとき、口いっぱいの水をストローから出そうと思うとけっこう大変です。
次に、同じ水の量でも細いストローから水を吐き出そうと思うと普通よりも力が必要です。
また、同じ太さのストローでも、中に何かが詰まっていたりすると普通より吐き出すのに力が必要です。
このようなことが体の中の心臓と血管でも起こっていると考えてください。
心臓から血液を送り出す作業は皆同じですが、人によって血管や体の状態はさまざま……。
加齢によって血管の弾力性が低下したり、動脈硬化によって血管の抵抗性が増したり、塩分の取り過ぎによって血圧が上昇してしまうのです。

減塩減量は最良の薬

日本人は一般的に塩分の多い食生活をしています。
塩は食品を長く保存する知恵のひとつですが、味噌汁や漬物、梅干し、醤油など日本の食卓には塩分の高い食品が多く並びます。
海に囲まれていて、塩自体が手に入りやすいせいもあるかもしれません。
皆さんは外食した時の味をどのように感じますか?
外食して「味が濃い」と感じる方は大丈夫。
「家の味付けと同じ」もしくは「塩気が足りない」と感じる方は塩分過多の可能性大です。
厚生労働省が発表している目標値は、男性が7.5g未満/日、女性が6.5g未満/日ですが、超えている方が多いのが現状です。
何グラムと考えながら食事をとるのは大変ですが、今の食事よりも一段階薄味に味覚を慣らしていきましょう。

減塩と同じく大切なのが「減量」です。
減量のために食事量を減らすと、同時に摂る塩の量も減らすことができますし、体重が減ることで血圧は確実に下がります。
特に、肥満かつ血圧が高めと言われている場合は、減量によって正常に戻るケースも多く、すでに薬で治療されている方でも薬の量を減らせるケースが多々あります。
痩せるだけ?と思うかもしれませんが、減量は血圧に大いに関係するので、ぜひチャレンジしてみてください。

別の病気が原因になることも

今まで述べてきたのは、いわゆる生活習慣病としての高血圧です。
日本人の高血圧の多数はこちらですが、少数ながら別の高血圧も存在します。
たとえば、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、腎性高血圧、甲状腺疾患など、別の病気が原因で二次的に高血圧を発症している場合です。

・ 若いのに(10代後半〜30代前半)血圧が高い
・ 血圧の数値が異常に高い(200台/110台mmHgなど)
・ 降圧剤を内服しているのに下がらない

このような時は別の病気が隠れていることがあるので注意が必要です。
血液検査でホルモンの数値を測定するなどして、病気の有無を調べなくてはなりません。
いずれにしても、血圧が高い状態というのは体にとても負担がかかるので、「少し高いだけだから」「薬を飲み始めるとやめられないし」と思わずに血圧をいい値にコントロールしていくことがとても大切なのです。

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田中 祥子株式会社ドクタートラスト 産業保健部 保健師

投稿者プロフィール

企業の健康管理室で働いていた経験をさまざまなかたちで皆さまにお届けします。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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