調査データからみる働く人のさまざまな意識

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こんにちは、産業カウンセラーの田野です。
私は、普段からカウンセラーとしてさまざまな企業のクライアント様とお話させていただいていますが、話すたびに「働く人々は十人十色で様々な考え方や信条があるのだな」といつも感じさせられます。
皆さんも他者から理不尽かつ的外れな意見を言われた際に「色々な考え方があるのだから……」と自分を納得させたことはないでしょうか?

今回は、人は働くときにどのような目的や意識が発生するのかについてお話してみようと思います。

意識にも次元がある

そもそも働く人々は、働くことに関係するさまざまな事象について、その人なりの価値基準や信念に基づく考え・意見・判断などの「意識」をもっており、それがその行動を規定していると言われています。
そして、この「意識」にはいくつかの次元があります。

最も基本的な第1の次元は次のとおりです。

・ 人生、 人間(男性・女性)
・ 自己(自己概念)
・ 家族(親子・夫婦)
・ 時制(過去・現 在・未来)
・ 生・死、金銭、道徳、社会など

これらのことを、一般的な意味でどう考えているのか、ということになります。
この次元の「意識」は、いわば信念のレベルで、格言などで言い表されることも多くあり「人間万事塞翁が馬」などがその例になります。

次に、これらをベースにして、働く場面に特有の第2の次元があります。

・ 労働(働くこと)
・ 仕事、組織、マネジメント、キャリアなどについての一般的な組方、考え

たとえば、「労働は、単に生計だけでなく、生きる意味アイデンティティを得るもの」と考えるか否か、ということがこれに当てはまります。

そして、さらにより具体的な第3の次元については、一般論ではなく現在の 自分のおかれた状況や環境についての観方、考え方になります。

・ 自分の能力や適性
・ 自分の職務
・ 処遇、組織の方針・ルール・制度
・ 職場の風土(雰囲気、上司のリーダーシップ、人間関係)
・ 職場の物理的な環境条件など

上記のようなことが当てはまります。
また、これらの「意識」にはそれぞれ方向性があり、次のように分かれます。

「ポジティブ(積極的、肯定的、 楽観的)」
「ネガティブ(消極的、否定的、悲観的)」
「ニュートラル(中庸的、 両極的)」

とくに第1、第2の一般的次元の「意識」は、普段人と接する際の感情や思考、行動のもつ「意味」につながることが多いのではないかと考えられます。
次に、働く人々の「意識」を集合体としてとらえたさまざまな調査の統計データについても報告されているので、このことについていくつかの例を紹介します。

調査データからみる「働く目的」

まずは、毎年行われている内閣府の「国民生活に関する世論調査(実施概要:内閣府により面接調査、全国の20歳以上の6,351人、男女ほぼ半数)」から働く目的をみてみましょう。
全体でみると結果は次のとおりです。

「お金を得るため:51.1%」
「生きがいをみつけるため:20.8%」
「社会の一員として勤めを果たすため: 14.8%」
「自分の才能や能力を発揮するため:8.8%」

年齢が高まるにつれて「お金」が減少し、「生きがい」が増加する傾向にあります。

調査データからみる「働く意欲」

さらに、働く意欲についてはさまざまな調査が行われていますが、そのうちのひとつ、独立行政法人労働 政策研究・研修機構の「従業員の意識と人材マネジメントの課題に関する調査(実施概要:質問紙調査、全国の従業員100人以上企業 1,200 社の 7,349 人)」についてを紹介しようと思います。
この調査で「3年前と比べて仕事に対する意欲の変化」を聞いたところ、以下のとおりでした。

・ 「高まっている」+「どちらかといえば高まっている」が31.9%
・ 「3年前も現在も変わら ない」が 36.8%
・ 「低くなっている」+「どちらかといえば低くなっている」 が 29.4%

ほぼ均衡しているということが伺えます。
またここでは、年齢が高まるにつれて「高まった」の群は減少し、「変わらない」が増える傾向にありました。
さまざまな調査データをご紹介しましたが、働くうえで生じる意識や意欲は、人によって大きく異なっていることを皆さんもご理解いただけましたでしょうか。
自分だけの価値観にとらわれることのないように、他者理解をするための参考になれば幸いです。

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田野 優人

田野 優人株式会社ドクタートラスト 産業カウンセラー

投稿者プロフィール

日本の働き方、メンタルヘルスのあり方に不信感を抱き、大学では社会学を専攻。卒業後、健康経営のコンサルタントの道を進むべくドクタートラストへ入社。今まで延べ500社以上の企業へ訪問し、産業保健体制の実態を目の当たりにしてきました。また、産業カウンセラーとしても日々、悩みを抱える方々との面談を行っています。
【保有資格】産業カウンセラー
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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