ロトやナンバーズから考える職場のやらされ感~コントロールの錯覚~

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自分で好きな数字を選んで「一攫千金を狙う」ロトやナンバーズ。
宝くじとはまた違ったドキドキがあると人気ですよね。
ロトやナンバーズと宝くじとの決定的な違いは「数字を自分で選ぶ」というところです。
そして実はこの違いにこそに、ロトやナンバーズの人気の秘密が隠されているのです。
そもそもロトやナンバーズを購入する目的は「一攫千金」でしょう。(期待額には差はあるにしても)
でも、よく考えてみてください。
数字で自分を選ぼうが、数字が印字されたものを購入しようが……「一攫千金」の確率は理論的に考えれば変わらないはず。
それなのに、人はわざわざ、ああでもない、こうでもないと頭を悩ませて、時間をかけて数字を記入する。
なぜなのでしょうか。

理論的確率と心理的確率は一致しない

これについては、心理学者のランガーが「コントロールの錯覚」と名付け、説明しています。
実は、自分でわざわざ数字を選ぶというこの行為によって、人は当選確率が高くなるように感じるというのです。
このように人は自分が選択したものに対して、それがたとえ自身のコントロールの及ばないものだとしても、コントロールできているかのように感じる、これを「コントロールの錯覚」と言います。
理論的に当選確率は変わらないという事実があっても、数字が印字された宝くじを買うより、ロト6のような選択式宝くじの方が人は当たる気がするということです。
あくまで「錯覚」。
思い違いではあるのですが、それが日常を楽しいものに変えるのもまた事実です。
人の心は現実以外に支えられているところも大きいということでしょうか。
このコントロールの錯覚で大切なのは、自分で選択したものは、より「価値」を高く見積もるようになるということです。
ロトと宝くじで言うと、それらを誰かに譲ると仮定した場合、自分で数字を入れて完成させたロトに、高い値段をつける傾向があるのです。

組織における「やらされ感」

さて、なぜこんな話をしているか。
夏の宝くじに備えてというわけではありません。
この「コントロールの錯覚」から、人は、自分で選択していない事柄よりも、選択した事柄に対して価値を見出したり、コミットメントするということがわかります。
ここで皆さんの職場に目を向けてみてください。
仕事をするなかで「コントロールできている」と感じることはできているでしょうか。
この感覚が持てない場合、ストレスを感じやすくなり、また「やらされ感」が組織に蔓延することにもなります。
やらされ感は、納得できていないことを半ば強制的にさせられる(せざるを得ない状況)から生まれます。
そう、そこに自身による「選択肢」はないし、求められてもいない状態。
そうなると……当然ながら自分事として仕事を捉えられず「やらされ感」を抱くようになります。
仕事でのやらされ感、まさに「コントロール不可」の状態が要因のひとつと考えらえます。

「やらされ感」は個人の問題か?

最近、組織課題としてよく挙げられるこの「やらされ感」。
これを「やる気がないからだ」など個人の問題として捉えている限りは、解決の道は閉ざされたままです。
もちろん個人の問題として捉えて対応していく必要はありますが、組織としては、組織の問題として捉えていくことから始めるしかありません。
組織としての「結果」と捉え、まずは組織としての環境を見つめなおすことで、手立てが見つかるはずです。
結果には必ず原因があります。
「やらされ感」という性質を最初から備えている人間はいません。
さてそれはどこから来たのか。
個人で、そして組織で、一度じっくり考えてみるもの良いかもしれませんね。

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山口 紗英

山口 紗英株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

精神保健福祉士です。皆さんに寄り添える記事をお届けしてまいります。
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