ノー残業だと賞与が増える!残業削減は企業の意識改革から始めよう

もう日本中の方が嫌という程耳にしているであろう「働き方改革」という言葉。
私自身も労働衛生に関わる仕事をしているため、多くの取引先から働き方改革やメンタル不調者についてのご相談をいただきます。
今回は働き方改革が打ち出されてから多くの企業で実施されたであろう「残業時間の削減」というワードに焦点を当ててみたいと思います。

すでに多くの企業が残業削減には取り組んでいる

残業時間の削減という部分だけを切り取ると、少し前までは「残業時間が100時間を超える社員がいた」「毎月80時間くらい残業している人がいる」というご相談を耳にしていたのですが、最近では「数年前は残業が多かったが、最近では徐々に減ってきた」という声も少なくありません。
もちろん、まだまだ取り組むことができていない企業もあるかと思いますが、2019年4月の法改正をはじめ、残業時間を減らそうとする動きは今後も日本全体に広がり、続いていくことと思います。

残業を規制される事に不満を感じる人も

上記で挙げたように残業が減っていると感じる方は多いのではないかと感じています。
しかし、残業をしないことは本当に全員の幸せにつながるかと言われると、一概にそうでないかもしれません。
残業が発生すれば残業代が支払われます。
つまり、残業がなくなることは収入が減ることにもつながります。
生活に使えるお金が減ることを嫌がり、残業禁止に不満を感じる人もいるかもしれません。
実際に私の知人も「残業も減って給料も減ったから、早く帰ったところで遊ぶこともできない」と話していました。
逆に働き方改革で残業禁止されたにもかかわらず、ノルマや業務量は変わらないため、結果サービス残業をこっそりしている、なんていう悪循環に陥っているという悲痛な声もないわけではありません。

事例紹介:ノー残業でもボーナス

ここで、ある2社の取り組みについてここで紹介します。
IT大手のSCSK株式会社と紳士服大手のはるやまホールディングスの2社です。
SCSK株式会社では、これまで残業代として支払っていた分について残業が減った分を賞与として還元。
残業をしなくても月20時間の残業代を支払うなどの取り組みを行い、注目を集めました。
他にも、はるやまホールディングスは、月の残業がゼロの社員に対して1万5千円の手当を支給。
当然、見込み残業代としてではなく、通常通り残業代が1万5千円を超えた場合には満額を支払っているため、社員にとって不利益にはならないしくみを導入しました。
この2社で共通しているのは、いずれも「残業をしないほうがより得をする」という点です。
これにより従業員の意識は変わり、生産性の向上に大きな影響を与えているようです。

また、副次的な効果で新制度導入後の新卒採用や中途採用の応募者が数倍になっており、人材が不足している今の日本ではなかなか珍しいのではないでしょうか。

働き方改革が打ち出されてからまだ数年。残業を減らす・有給休暇の取得を上司から促すのみにとどまっている企業も多いかと思います。
働き方改革の本質は生産性の向上が目的として考えるならば、会社の制度や意識を変え、従業員のモチベーションアップにつながるようなしくみでなければならないのかもしれませんね。

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